引きこもりの映画フリーク大学生と、
彼の社会復帰を教授に頼まれた単位取得危機の主人公。
二人が映画にちなんだ事件に巻き込まれ、引きこもり探偵がその謎を解く、
電撃小説大賞受賞作たるライトノベル。
ストーリーになーんとなく映画の断片が散りばめられるだけの
お気軽ライトノベルだろうとタカをくくっていたのだが、
なかなかハイレベルな映画の知識と愛がなければ書けないお話やん。
クラシックが引用されないのが残念なところではあるが、
「BTTF」や「ニューシネマパラダイス」など、
ラノベ世代にも通じる名作たちが引用される。
特に「セブン」を思わせる連続猟奇殺人に巻き込まれる第4話は、
映画ポスター好きなら文章だけで「あー、わかるわかる!」と共感すること必至。
映画の知識が深くなくても楽しめるお話だけど、
わかる奴にはもっとわかる、という楽しさがある。
続編をちょっとだけ期待しておこう。