Some Like It Hot

お熱いのがお好きな映画ファン、アナキン・tak・スカイウォーカーが、日々気になる音楽・映画・家族の出来事を記す雑記帳

きっと、うまくいく

2014-04-19 | 映画(か行)

■「きっと、うまくいく/3 Idiots」(2009年・インド)

監督=ラージクマール・ヒラニ
主演=アーミル・カーン カリーナ・カプール R・マドハヴァン シャルマン・ジョシ

 言い訳がましくなるが、僕はインド映画を実は敬遠してきた。だってさ、僕が抱いてきたインド映画のイメージって「暑苦しい風貌のひげ面男が踊り歌う長尺の映画」。そんなの耐えられないに違いない。あの大ヒット作「ムトゥ 踊るマハラジャ」でさえ避けてきた僕だ。相性がいいはずがない。しかし。昨年「きっと、うまくいく」と題されたインド映画の評判がすこぶるよかった。日本アカデミー賞の外国語映画部門に、名だたる秀作と並んで名を連ねている。「どれほどのもの?」と正直疑っていた。僕はボリウッドの実力をまだ知らなかったのだ。映画館の鑑賞ポイントが貯まっていたので、いざ小倉昭和館へ。・・・・。エンドクレジットを観ながら僕は「すげえ」と口にした。あっという間の3時間。途中休憩の5分間も先が気になって、「まだ半分かよ」とは決して思わなかった。青春、笑い、音楽、恋愛、成長、謎解き、人情、涙・・・こんなにもエンターテイメントとしての要素がてんこ盛りの映画ってあるのか。参りました。

 物語は大学卒業以来行方不明になっているランチョーを探しに、かつての友人ファルハーンとラージュー、それに彼をライバル視していたサイレンサーが走り始めるところから始まる。映画は学生時代のエピソードと現代のランチョー探しが並行して進んでいく。彼らはインドのエリートが集まる工科大学の学生だった。ランチョーは思うがままにものを言い、身近なものを駆使した発明をするちょっと変わった自由人。成績はよいのだが、その言動は常にトラブルの原因になっていく。ランチョーと相部屋になったことで仲良くなったファルハーンとラージューはこの大学では劣等生。ランチョーと行動を共にすることで様々な危機にも直面するが、次第に自分に自信をもつこと、自分の気持ちに素直になることを学んでいく。現代の彼らがいるのは、まさにランチョーのお陰でもあった。ランチョーを探してたどり着いたのはある富豪の家。ところが、ランチョーを名乗る男は・・・。ランチョーとは誰なのか。そして彼への恋心を抱いたままだった学長の娘も巻き込んで、物語は核心へと突き進む。

 詰め込まれたエピソードにとにかく無駄がないことに驚かされる。前半に出てきたちょっとした台詞が後半で大きな意味を持っていたり、ストーリーの伏線が見事だったり。インド映画ではお約束のミュージカルシーンはパワフルで美しく、楽しく、飽きさせることがない。SFXとサスペンスと泣けることが映画だと思っている人々には衝撃だろう。しかもこの映画は現代インドが抱える学歴偏重社会への風刺もチクリと利いている。でもそれは決してインドだからという話ではない。思い通りになんていきっこない、と自分を抑え込んで生きている今の僕らの背中をバーンと叩いてくれる力がある。

 もし大学でランチョーがいなかったら他の登場人物たちの人生は自分の意志を抑え込んだものに大きく変わっていた。これまでも映画からパワーをもらうことはしばしばあった。前向きな気持にさせてくれる映画に、僕は幾度も支えられてきた気がしている。「きっと、うまくいく」もそうした映画のひとつになることだろう。ランチョーほどではないにせよ、アイツがいたから今のオレがいる、と思える友だち自分にはいるだろうか。そして今でもそんな友だちを自分は大切にしているだろうか。そんな気持ちにもさせてくれた。素敵な映画をありがとう。最後に。久々にいい邦題に出会えた。原題の"3バカ"を直訳したら、この映画のスピリットは伝わらない。グッジョブ。

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