【 地 軸 】 2016/12/11 地方紙1面下段コラムより
[ 「ぼくがラーメンをたべているとき、となりでミケがあくびした…」。同じとき、隣の家で、隣の町で、隣の国で、そのまた向こうの国で、子どもたちはどう過ごしている?
▲長谷川義史さんの絵本「ぼくがラーメンをたべているとき」 (教育画劇)には胸を揺さぶられる。のんびりとした日常が描かれると思ったら、世界が広がるにつれ、水くみやものうりの子のすがた。そして「そのまたやまのむこうのくにで おとこのこがたおれていた」。
▲今この時も世界のあちこちで、戦争によって子どもたちの命や日常が奪われている。内戦が続くシリアでは50万人近くの子が武装勢力の支配地域に住む。雨期でもある冬の湿気と刺すような寒さの中、執拗(しつよう)に繰り返される爆撃におびえながら。
▲国連児童基金(ユニセフ)によると、全世界の子どもの約4分の1に当たる推定5億3500万人が、紛争や自然災害の緊急事態下にある。家を追われて困窮し、児童労働で搾取され、十分な医療や教育も受けられず。
▲人道支援活動を続けるユニセフはきょう、設立から70年を迎えた。第2次世界大戦後に「緊急基金」として食料や衣類の支援を開始。栄養不良が深刻な日本の子どもも救った。助けを求める国際状況は今なお途切れることがない。
▲ユニセフのマークは、オリーブの葉に囲まれた地球で高く抱き上げられる子。まずは同じ空の下で生きる「隣人」に心を寄せたい。]
( 忘却への扉 ) 推定5億3500万人もの子どもたちが、紛争や自然災害の緊急事態下にあるとは…。中でも、戦争(紛争)は人間、それも大人たちの狂気を起因に意図的に発生する人災。
イスラム国(KS)をはじめとする武装勢力の、もとを育てたのは軍事大国米国。世界中に紛争の種をまき散らす米国も、また世界最強の武装勢力。自国だけでなく、友好国?を戦争に巻き込み戦争を拡大させている。
平和憲法を持つ日本政府まで積極的協力。自衛隊=軍隊=武装勢力の海外派兵。言葉をいくらきれいに言い取り繕っても、子どもたちにも犠牲を強いるのは避けられない。