Ma Vie Quotidienne

一歳に二度も来ぬ春なればいとなく今日は花をこそ見れ

ウイスキーを知る スコッチブレンデッド飲み比べ+α

2014-11-09 23:56:50 | Spirits&Others
ジビエを満喫したあとは、
月を眺めながらのんびりと夜のお散歩。



ススキノからサツエキ北口まで。

おなかもちょうど、こなれてきました

いつものバー竹内さんでウイスキーのお勉強(と称して味見大会)です

この日はまず、
ブレンデッドの12年もの飲み比べ。



<バランタイン>
創業は1827年。
ジョージ・バランタインはローランド地方の農家出身で18歳で食料雑貨店を開き、
1869年にグラスゴーに進出、
息子が後継し発展するも以降経営者は何度か変わった。
バランタインの個性を作っているのは40~50種とも言われるモルト原酒で、
その中核をなすのがスペイサイドのグレンバーギとミルトンダフ。
ほか、4種のグレーンが使われている。
同社の自慢はボトルに描かれた紋章。
中央にウイスキーづくりに重要な大麦、川、ポットスチル、樽が描かれている。
売上げはジョニーウォーカーに次いでスコッチ第2位。

テイスティング:一瞬甘い、軽くすっきり、ドライ



<ザ・フェイマス・グラウス>
製造元のマシュー・グローグ社の創業は1800年。
当初はワインを扱っていたがやがて自社ブランドのウイスキーを手掛けるようになり、
孫の代、1897年に「ザ・グラウス(雷鳥)・ブランド」完成。
当時ハイランドには毎年夏に上流階級のひとが多くやって来て
ゴルフや釣り雷鳥狩りを楽しんでおり、
彼らが酒場などで「あの有名な雷鳥のウイスキーをくれ」と言ったことから
ブランド名を「ザ・フェイマス・グラウス」に変更。
マッカランやハイランドパークを中心に40種以上のモルトをまずヴァッティング、
その後厳選したグレーンをブレンドし、さらにゆっくりマリッジ。
売上げは世界第6位、
スコットランド、英国では共に1位。

テイスティング:はじめは甘味、徐々に苦味が立つ。厚みあるけどドライフィニッシュ。



<オールド・パー>
製品名は、英国史上最長寿(享年152歳!?)のトーマス・パーという実在の人物からとったもので、
その長寿と知名度にあやかろうと命名された。
ジェームスとサミュエルの兄弟が1871年に設立した
グリーンリースブラザーズ社が発売するとすぐにに好評となり、
1900年頃にはロンドン市場をほぼ席巻、その後販路は世界に広がる。
日本にはじめて紹介されたのは1873(明治6)年。
岩倉具視らがイギリスより持ち帰ったとされる。
吉田茂や田中角栄がオールドパーのファンだったことは有名。
キーモルトは今も昔もクラガンモア、他もほとんどがスペイサイドモルトを使用。
角形で19世紀の陶製ボトルをイメージしたクラックルパターンや、
17世紀の巨匠、ルーベンスが描いたとされるトーマスパーの肖像画などボトルも個性的。

テイスティング:甘い、ピート、奥行きがある。



<シーバス・リーガル>
シーバスブラザーズ社の創業は1801年。
アバディーンの町のワインと食料品の店が前身。
1891年にシーバスリーガルを販売開始、
1938年には世界初の「12年熟成」表示を行い、
以後12年という酒齢は高級スコッチのひとつの代名詞になった。
1950年にはスペイサイド最古のストラスアイラを買収、現在もキーモルトとなっている。
スコッチ全体で売上げ第3位。
故アイゼンハワー米大統領や吉田茂元首相が愛飲していた。

テイスティング:さらっとしている、甘く飲みやすい



ブレンデッドは全体的にさらっとして甘く、飲みやすいですねー。
なんか、香りとかあんまり違いがわからなかったので
テイスティングコメントもお粗末です

この日、お隣で飲んでいらした男性が、
私が飲み比べをしているのを見て「おもしろいことやってるね、俺もやってみよう」って、
ブラインドでこの4つのテイスティングにチャレンジ。
はじめははずれましたが、
2回目には修正して、全部当てていらっしゃいました
すごいですねー
むかし相当飲んでたからねーとおっしゃってましたが、
シングルモルトならともかく
ブレンデッドのブラインドは私には絶対できないと思いました

なんだかブレンデッドがさらっとしていて物足りなかったので、
シングルモルトもお味見
16年物の2つをいただきました。



<ラガヴーリン>
アイラ島南端に位置し、ゲール語で「水車小屋のある湿地」の意。
創業は1816年だが、それ以前から密造所があったという。
ホワイトホースの原酒で、
ホワイトホース社の創業者ピーター・マッキーが修行した蒸留所。
周囲はピートに厚く覆われた湿地で、
ソラン湖から出てその湿地を下った水で仕込まれている。
深くピートを炊き込まれた麦芽を使い
じっくり時間をかけて発酵や蒸溜が行われ、深い甘さやなめらかさが生まれる。
また、熟成庫は波しぶきを浴びる海辺にある。

テイスティング:
香~薬品、塩味、湿地、麦、スモーク
味~甘味、カラメル、塩味、タンニン、余韻長い


<スキャパ>
ヴァイキングの言葉で「牡蠣床」の意。
蒸溜所はハイランドパークと同じくオークニー諸島最大の島メインランドに位置し、
島の南、スキャパ海峡に面して建っている。
仕込み水はリングロ・バーンという小川の上流の泉から引かれる中硬水で、、
かなりピートが濃い。
一方で麦芽にはピートをいっさい焚いていない。
初溜釜は「ローモンド・スチル」。
ずんぐりした円筒形をしていてトロリとしたオイリーな蒸溜液が得られるという。
貯蔵にはファーストフィルのバーボン樽のみ使用。
バランタインの原酒。

テイスティング:
香~麦わら、カカオ、クリーム、麦チョコ、杏のドライフルーツ
味~クリーム、チョコ、麦わら、軽い余韻


飲み終わり、オーナーさんに「どうでした?どちらがお好き?」と聞かれ、
「ちょっと前のわたしならスキャパと言ってたと思うけど、
 今日はラガヴ―リンがとてもおいしく感じました」というと、
「かなりハマりましたね」と言われちゃいました

いつも蒸溜所の情報を前もって見ないでテイスティングするのですが、
ラガヴーリンは、
自分のテイスティングコメントとあとから見た蒸溜所の情報がぴったりで、
よほど私のなかの何かに触れたんだろうなーと思います・・・・

よいお酒と出会えるとうれしいですね。
またよい出会いがありますように。



ジビエ第2弾

2014-11-09 20:24:25 | Restaurant/Bar/Cafe
映画鑑賞終わりまして、
今シーズン2回目のジビエディナーへと伺いましたのは、
いつものパロンブさん。

北海道産の野ウサギ(リエーヴル)のロワイヤルがあるというのでお願いしました。

そのまえに前菜的なもの。

牡蠣とキノコのブルギニョン。
ハフハフしていただきました
あーうまい!

ワインは赤を勧めていただきました。

タケダワイナリーのマスカットベリーA
これがまたキノコはもちろん牡蠣にも合うんです


さて、やってきました、

道産のリエーブル・ア・ラ・ロワイヤル。
お肉は3週間ぐらい熟成したんですって!
すばらしい獣臭と濃厚な血のソース。
最高です


ワインはこちらがでてきました。

ロワールのグロロー。
ローヌじゃないんだ・・・しかもグロロ?
グロロといえばロゼ・ダンジュとかのイメージで
なんとなく薄い印象だったんですが、ほどよく濃厚。
濃すぎない微妙なこの軽やかさがよいのか、
すっごいマリアージュしてました。
この濃厚なお料理を流すにはグロロはよい仕事をしてくれました。
お料理が濃厚すぎて
ワインは1杯では済みませんでしたよ(笑)



本日もまた貴重な森の恵みとすばらしいワインをいただき
感動いたしました。


またお願いいたします

映画 世界一美しいボルドーの秘密

2014-11-09 18:25:15 | Movie


原題 Red Obsession

製作 オーストラリア・中国・フランス・イギリス・香港合作 2013年


久々にセンスのない邦題の映画を見ました
まあどうでもいいんですが


はじめと途中のところどころには
美しいフランスボルドー地方に流れるジロンド川やその流域一帯に広がるぶどう畑、
有名なワイン生産者のシャトーの映像とともに、
著名なワイン生産者や評論家が
ボルドー格付けワインの素晴らしさについてインタビュー形式で語っていきます。



かつては日本が、そしてアメリカがボルドー格付けワインの主な買い手でした。
日本でバブルがはじけ、
アメリカではリーマンショック、
買い手が少なくなったボルドーワインを次に買いあさっているのは
経済成長著しい中国の一部のお金持ちさんたちです。

ここからがこの映画の本題。

中国人がいかにワインにクレイジーになっているかを
おもしろおかしく映像とインタビューで表しています。

特に中国人が大好きなのは
格付け1級のCh.ラフィット・ロートシルト。

クリスティーズのオークションでクレイジーに落札している様はまさに
映画の原題にあるObsession(取り憑かれている)ような感じ。

他にもいろんな中国人ワイン収集家をおもしろおかしく紹介していて、
一番上の写真のパイプをくわえたおじさんは、
いわゆる「大人のおもちゃ」を作る工場を持っていてそれで財を成して
ものすごい数の高級ボルドーワインを所有しています。

あ、この人が「大人のおもちゃ」を売って稼いだお金でワインを買い占めてるから
私たちには手も出なくなっちゃうんだ・・・・
って思うと、トホホって感じですが・・・

フランスのワインの流通業者かなんかの人が、
「中国人は、
 『ラフィットは美容にいい。特に女性のお肌にとても有効な成分が入っているから』
 って買っていくんだ」
と肩をすくめ、首をかしげたジェスチャーで語っていて、
思わず笑ってしまいました

シャトーのほうもお金になるからプロモーションして売りに行ったり、
「おいしい」思いをしている部分もあるんだけど、
シャトーに残っているレアヴィンテージを
金に糸目をつけずに何ケースも買い占めようとする中国人に
1本しか売れないと言ったらへそ曲げられたとか
困ったエピソードも

困ったエピソードといえば、
中国人お得意のパクリや模造偽造のお話も
すっかりボルドーのシャトーとおんなじ建物がつくられていたり、
もちろんワインの偽物も。
ラフィットの空き瓶はものすごく高く売れるんですって



いまはお金持ちしかワインを飲んでいない中国も
いずれ庶民が安価なものでもワインを飲むようになるとすれば、
たぶん世界の需要と供給のバランスが崩れるんじゃないかってことで
なんとなく中国政府も国内でのワイン作りを奨励しているらしく、
特に新疆ウイグルとか内モンゴルとかに
ブドウをどんどん植えているみたいで、
ボルドーで醸造を学んだ中国人コンサルタントが
地元民にブドウの作り方教えている映像も。

実際、ワインのコンクールなんかで賞をもらう中国ワインも出てきているそうで。

ああ、今後わたくしもブラインドテイスティングなんかでは
「これは中国かもしれない」という選択肢を持たなくてはならない日も
近いのかもしれません・・・・

まあなんでもいいけど、
ボルドー格付けワイン、少し安くならないかなー


マカロンとコーヒーのマリアージュ

2014-11-09 10:40:57 | Tea/Coffee
日曜日。

朝6時に起床して、掃除洗濯と大忙し

10時頃にちょっとひと段落したので、
余っていたマカロン食べながらティータイムを

わたくし、
マカロンには紅茶が合うって思ってて、
いつもその組み合わせにしていました。

先日、自家製マカロンの味見の時にもやはり紅茶をいただきましたが、
それとおんなじ味のマカロンに
またおんなじように紅茶じゃあつまんないねーということで、
コーヒーを合わせてみることにしました

いま口が開いてる豆は大好きなインドネシア・マンデリンなのですが、
それじゃあ濃すぎてマカロンが生きてこないんじゃないかしら・・・。

あ、この前買ってきたエチオピア・イルガチェフェがある!
試してみよう!


ちなみに・・・
エチオピアのコーヒーは一般にモカと呼ばれていて
華やかな香りと豊かな酸味が特徴だったりしますが、
酸味がちょっと気になったりすることがあって
あんまり飲まないんです、わたくし

でもイルガチェフェ村というところ豆はとてもクオリティが高く、
酸味よりも花やフルーツのようなフレーバーを楽しめたりして
おいしくいただけることが多いです

あとはロースターさんが
いかに豆の個性を引き出しているかが大事だったりするんですが、
先日買ってきたイルガチェフェは
岩手県釜石のハピスコーヒーさんのもの。
ハピスさんの焙煎はとても信頼しているし、
以前イルガチェフェ買って飲んだ時もすごくおいしかったので、
マカロンに合うような気がして。

さて、実食です!


ビックリするくらい合いました。
コーヒー味、チョコ味のマカロンはもちろん、
カルヴァドスで風味をつけた紅茶味のマカロンにも、
このイルガチェフェはピッタリです!

不思議ですねー。
なんでからしら。
このイルガチェフェには森や木や葉を連想させる風味があるので、
より紅茶に近い感覚の味わいなのかもしれません。

朝から幸せな気持ちになりました