Ma Vie Quotidienne

一歳に二度も来ぬ春なればいとなく今日は花をこそ見れ

読書    ねじまき鳥クロニクル  村上春樹著

2014-01-03 23:02:24 | Book



わたくし、村上春樹を読み始めたのは「1Q84」からで、
彼の世界観を理解するために
とりあえずそれ以前の彼の長編小説を全部読んでみようと思って、
中断しながらも読み続けてきて、
やっとこれが最後です

「ねじまき鳥」を読んで思ったのは、
村上作品はやはりひとつひとつバラではなく
なんとなくつながっている・・・ってこと。

この場面はあの小説に似ている、
この場面はあれとリンクしてる、
みたいなことがたくさんあって、
ストーリーに隠された意味も、
単発でひとつの作品を読むよりも
全部読んだ方が分かりやすい気がします。

まあどれも基本的に
あっちの世界とこっちの世界を
行ったり来たりしながらの自分探しがテーマみたいなもんですからね。
かぶっちゃうことも多くなっちゃうのでしょう。

それにしても人物の名前とかちょっと変えてもいいのになって思ったり。
「牛河」って・・・
醜くてべらべらしゃべる牛河って人物は1Q84にも出てたし

名前が変わってても、
あ、この人はあの小説のあの人とおんなじ人だ・・・と思うこともあるし

ま、いっか




この作品は主人公の自分探しに
ノモンハン事件という昭和初期の大陸での国境紛争事件が絡んでいて、
とても興味深かった。

わたしは何となく昔から
日本が軍国主義であった頃、特に昭和初期のこと、ロシアや中国や朝鮮との関係に興味があって、
いつかまとまった時間ができたらちゃんと勉強しようと思って
何気にいろんな歴史の本を持っているんですが、
そういった意味でこの小説はとでも興味深かったです。


なんとなく、
このお話を読んでいて、
そういう昭和初期の話も絡んでいるからなんでしょうけど、
村上春樹って太宰っぽいよなー・・・ってあらためて思いました。
全般的にね。
本人は太宰をキライみたいですけどね

太宰的要素をユングやフロイトを絡めながら・・・って感じです。