Ma Vie Quotidienne

一歳に二度も来ぬ春なればいとなく今日は花をこそ見れ

読書  村田エフェンディ滞土録  梨木香歩著

2009-12-19 01:15:52 | Book


こちらは文庫じゃなくてハードカバーを買っちゃいました。
中古で400円だったんで。
文庫の新品が500円くらいだからお得ですよね。

同じ作者の「家守綺譚」とリンクしている作品です。
家守綺譚は時代背景が100年位前ということだったので
明治から大正あたりと思っていたのですが、
この「村田エフェンディ」では
大正時代が描かれていること明確なので、
ま、「家守」もその辺の話なのでしょう。
世界全体がよからぬ方向へと流れ始めていく時代です。


さて、物語ですが、
大正時代のとある考古学者が主人公。
彼がトルコに留学していたときのあれこれが描かれています。
さながら、
この学者さんが書いたエッセイでも読んでいるかのようです。

トルコには行ったことがないし、
ムスリムにもさほど精通していない私ですが、
トルコにはHidoさんという友がいますので
この物語に描かれている風景は
どこか親しみやすいものでした。

この本は
いつぞやの年の
高校生のための課題文庫に指定されたそうです。
はじめは
コレを高校生に読ませる意図は!?!?
という感じでしたが、
ちょっとうるっときてしまう物語の結末に
「なるほど、高校生に読ませたいのもわかる」
と思った次第です。