クルマのサスペンションと長いお付き合い

サスペンションの話、試乗記、旅の話、諸々・・・。

ドリフトアングル

2016-08-11 21:21:56 | セッティングレポート(SUSPENSIONDRIVE)
WRCに気まぐれに出ているように見える今年の「シトロエン」

しかし驚くほど速い‼︎

高速ドリフトとジャンプシーンが印象のフィンランドラリーは、ラリードライバーにとっての夢舞台、結果は優勝と三位!

昨年のチャンピオンカーであるVWポロを走らせるフィンランド人ドライバーのラトバラ(このラリー二連勝)を相手に、一つのSS で十数秒のタイム差をつけるダントツぶり。

そのシトロエンの車載カメラで見る映像が、右に左に忙しく揺らぐ感じがなく、右なら右に一度向きを変えたらそのまま立ち上がりまでドリフトアングル一定のまま走り抜けます。

当然ハンドル操作も軽くヒョイヒョイと動かすだけ。

他のクルマと明らかに違うのはドリフトアングルが少なめなこと、
しかもコーナリング初期から旋回姿勢が決まって、コーナー「後半で」ドリフトアングルが深くなることがありません。

ドリフトアングルが深くなればタイヤに大きな抵抗が発生するので、タイムロスにつながります。

ここの違いが他のクルマとのタイム差に現れているように見えます。

同じステージの二走目は、砂がはけて硬い地面がむき出しになったところにタイヤラバーが乗って黒々、
ドリフトアングルはさらに少なくなり、サーキット走行の車載映像のように、正面にコースが見えて左右のブレも全くありません。

速さの元となっているのはリヤサスペンションの信頼性(グリップレスポンス)が大きく向上しているのではないかと推測できます、
もちろんサスペンション全体を支えているしっかりボディーがあっての話ですが。

縦の動きも硬すぎず柔らかすぎず、減衰コントロールの何かを掴んだのかもしれません。

エンジンもかなり良くなったと言われていますが、今年のシトロエンの速さを紐解く鍵は、ドリフトアングルの少なさ⋯⋯⋯のような気がします。