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クルマのサスペンションと長いお付き合い

サスペンションの話、試乗記、旅の話、諸々・・・。

ロールセンター理論のはてな その5

2025-04-22 13:08:34 | ガレージレポート(オリジナルボックス)
「左右のNo1ブッシュを結んだ線上」にロールセンターがあるという話。

⋯三節棍というカンフーの武器があります。三本の棍棒を鎖で繋げた武器です。

*本物は鎖で繋がっているのですが、関節と考えます。

左右のNo1ブッシュを結んだ線、つまり真ん中の棍棒が車体。両サイドの棍棒をロワーアームに見立てます。

両サイドの棍棒のはじを誰かに握ってもらって、真ん中の棍棒を動かすと、左右の棍棒の円弧運動の中でしか
動かせないことがまず分かります。

ロールに見立てて真ん中の棍棒を動かすと、揺動中心が「棒上」のどこかに必ずあることもわかります。

そこでこれまでのロールセンター理論だったらの話です。

例えば作図上で地下10cmにロールセンターがあるとします。

地下10cm位置にZ軸の先端を置いて車体をロールさせます。

ロワアームがゴムロープのように伸び縮みするか、タイヤごと横にずれない限り、車体はびくともしません。

ロールセンターとされるところにコンパスの針をさして、サスペンションの関節(左右ロワーアームNo1ブッシュ)が
円弧方向に一瞬でも動くかを確かめれば分かることですが、動くはずがありません。

作図も実車も同じで、タイヤが地面に接しているので、タイヤと一体のボールジョイントも地面に固定されています、
ここは関節ポイントですが位置は動きません。

それ以外の関節が動いて車体が傾くので、
冒頭の「左右のNo1ブッシュを結んだ線上」にロールセンターがある時だけロールする
というのが答えです。

だとするとそれ以外の場所を示すロールセンター理論はどうなのか、という根本的な疑問が湧いてきます。当然です。

個人的な見解を言えばロールセンターの概念そのものが、空を飛ぶ航空機ならいざ知らず、
地面を捉えて走るクルマに於いては、求めようとしているものもあやふやな推論のネタに過ぎないと考えます。

ひとつには、例え正しいロールセンター位置がわかったとしても、車両運動に結びけるには無理があるからです。

100年以上前の誰かが⋯クルマはどこかを中心にして傾いている、その位置が挙動に影響しているはずだから、
傾く中心⋯ロールセンターを最適化すればいい、それを見つける方法として考え出されたのが有名な作図法。

しかし⋯瞬間中心の「点一つ」から、車両挙動を見極めることなどできるはずがありません。





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2 コメント

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Unknown (Unknown)
2025-04-23 14:49:55
ロールセンター理論、ヤジロベエの傾きにつ入れて支点が上下する、くらいに捉えていましたが、そうですね、ヤジロベエの一方の錘を固定されつつ横に押されイメージが旋回の入力なんですよね、それでかつ支点が上下する。
動画で見れる直感的に捉えやすいんですが、この動画を作るのはなかなかむつかしそうです。

ところでgooのブログもサービス終了みたいです。
ここの貴重な記事が消えてしまうのはもったいない。お引越しなどはご検討されていらっしゃいますでしょうか?
返信する
書き込みありがとうございます (くにまさ)
2025-04-23 18:51:47
>Unknown さんへ
>ロールセンター理論、ヤジロベエの傾きにつ入れて支点が上下する、くらいに捉えていま... への返信
ロールセンターの話が一通り終われば、話すこともないしそろそろとも考えています。
あと3〜4話。
返信する

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