*フロント 初期仕様
*フロント 最終仕様
*リヤ 初期仕様
*リヤ 最終仕様
ゼロタッチバネに合わせてダンパーチューニングを行いました。
997のフロントストラットはツインチューブタイプの非分解のダンパー。
これは自動車メーカーがテストで使用する分解型のものにしました。
リヤはモノチューブダンパー。
このまま分解してチューニングを施す方法もあるのですが、
重い重いリヤの車重をしっかり受け止めるのに、
別タンク式のダンパーを新規製作。
レーシングカーなどで採用される形式と同じで、
ストロークと減衰値がより確実に作動させられる構造です。
線図は初期仕様と最終仕様です。
フロントは圧側の減衰ボリュームを低く設定しました。
リヤは減衰を大盛りにしていけば、車体の上下動を止められるようになるものの、
引き換えに乗り心地の悪化が考えられます。
「止める」のではなくゆっくりスピードで揺らして振幅を減らしていくことで、
乗り心地との折り合いがうまくいくことがあります。
つまり動きの「速さ」に減衰を効かせたいので、ピストンスピードの高速域寄りに
減衰ボリュームのある速度依存型のリニアピストンに変えました。
純正はデグレッシブピストンで、ピストンスピードの低速域寄りに
減衰ボリュームが集中しているタイプです。
ストロークの出始めから動き終わりまで終始強くブレーキがかかるので、
身動きしないようなバネ下との一体感のある動きとも言えるのですが、
この状態から減衰を大盛りにすると、仔細な路面の凸凹も吸収できなくなり
ブル感だったりボコ付きが気になりはじめます。
その手前に答えがありそうですが、速度依存の傾きが寝ている分、
高速域の減衰不足が顔を出すことがあり、
ゴツゴツするのに大きくストロークする瞬間が入り混じります。
と言ってもリニア、デグレッシブ。それぞれに一長一短があって使い方次第。
リヤに関してはデグレッシブからリニアに変えました。
フロントはデグレッシブのままです。
初期仕様と最終仕様との間に、かなりの時間とたっぷりの手間、
それにあちこちの協力会社などの人手があって、開発ストーリがぎっしり詰まっているのですが⋯
ブログで見るとああそうなんだ!
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