クルマのサスペンションと長いお付き合い

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いい脚あり〼 ゼロタッチバネ その2

2021-06-04 09:54:53 | ガレージレポート(オリジナルボックス)
市販されていない(おそらく)NCEC用のゼロタッチバネの製作をスタートさせました。

通常バネを選択する時、バネレート、自由長、バネストローク、形状から探します。
又は製作依頼します。

ところが今回は取り付け寸法とストロークとバネ上荷重の情報からバネを作るので、レートは「できたなり」です。

あまり聞かないバネ選びの方法かもしれません。

仮にですが⋯真っさらのフォーミュラカーが目の前にあるとします。

これからシェークダウンのためのスターターセットを組むとします⋯

まずリヤから始めます、ゼロタッチ(プリロードゼロ)で組み込んで、
1G荷重を掛けてストロークの20%〜30%までたわむバネを選びます。

(ダウンフォースの掛からないマシンの場合は40%ー50%を狙います)

ここではゼロタッチからの「たわみ量」で選択するのがポイントで、車高はプッシュロッドで合わせます。

次にフロントのバネです。
前後重量配分を40:60として、前後バネレートの比率もこれに準じます。

リヤを1として、0.6〜0.7倍がフロントレートの目安なので、先に決めたリヤレートを基準に計算で出します。

フロントバネを組み込む時はゼロタッチではなく、今度は「プリロード」を掛けて
0G〜1Gがジャッキアップしても足が伸びない、ジャッキから下ろしても
車体が沈み込まないように組み込みます。最後にプッシュロッドで車高調整します。

これでシェークダウンの1周目から全開走行できます。

絶対車高とか、減衰力調整、スタビライザー⋯等々もあるのですが、
サーキットインしてからバネの選択に費やす時間が大幅に短縮できます。

この時の「リヤバネの選択方法」を使ってロードスター用の前後バネを作ります。

NCロードスターの場合、車高調整が自由にできるわけではないので、狙い車高になるように1G車高を指定します。

そんなんでいいの?はバネ屋さんの一言。