クルマのサスペンションと長いお付き合い

サスペンションの話、試乗記、旅の話、諸々・・・。

ポロGTIの場合 その2

2017-09-14 12:43:15 | ガレージレポート(オリジナルボックス)
フロントショックの縮み側ストロークは43mmだというのが分かりました。

しかし見かけのストロークが43mmあってもすぐにバンプラバーを押しつぶしていくので全部はストロークしません。
押しつぶしていくにつれてバンプラバーの硬さが二乗倍三乗倍と、少しのストロークで一気に硬くなっていきます。
なのでバンプラバー長さの3分の1程が日常で使えるストローク(10数ミリ)、実用となるのは3分の2以下⋯約20〜25mm。

縮み側に30mmもストロークしたとしたらすでに2G近くの荷重で押しつぶしているはずです。
これは上からの荷重に限らず、下から突き上げられて車体を持ち上げる力を受けたときに、
車体とタイヤの間にあるバンプラバーが押しつぶされて発生する力なので、ストロークが止められてボディブローのような底付き感が出ます。
それがピッチングモーションの元になります。

ちなみに縮み側のストローク20mmというのはフォーミュラマシンのリヤサスペンションストローク(縮み側)と同じです⋯⋯

ここでカッコいい‼︎・・なんて思わないでくださいよ。
サスペンションの役目をタイヤがしてくれているのでガタガタするほどひどくはないものの、
乗員が受けるGは不快です。これが今回のガレージ入りに繋がったわけです。

縮みストロークを確保する方法として仮に25mm車高を動かしたとします(ショックストロークで22mm)

するとロワーアーム角はプラス5mm(2名乗車で下半角が付いた状態)になり、
ストロークのバランスは縮み側65mm(バンプラバーのつぶれを30mmまでと勘定すると52mm)伸びストロークは83mmです。
*車高の移動量にレバー比0.9を掛けてショックストロークに換算。

25mm車高を動かしただけでアーム角もショックストロークも良い位置に落ち着きました。
このことから、GTI以外のグレードは20〜25mm車高が高い位置にあるのでは? と推測できます。

結局GTI仕様にするために車高を下げたことでおかしなバランスになっていただけで、基本的な問題はなさそうです。

足し算引き算で、乗り心地の良い足にするために必要なストロークバランスを見つけることができました。
次は動的ストロークの味付けです⋯⋯減衰力チューニングのことです。

続く⋯⋯