シネマと虎とグルメたち

犬童一心監督作品に「ジョゼと虎と魚たち」があった。オイラは「観た映画が面白くて、美味いもの食って阪神が快勝」を望んでる。

ちはやぶる

2010年09月28日 | グルメ・他
昼頃より晴れてくるというので斑鳩まで出かけてみた。
今日の目的地は「法輪寺」と「竜田公園」の2か所。
斑鳩のメッカである法隆寺を今回はパスする。
先ずは「法輪寺」を訪れる。
初夏に散策したことがあるが、この辺りは実りの秋が良い。
稲穂の垂れさがる様子と、法隆寺界隈と違って人の姿も珍しいのどかな雰囲気がよい。
今回法輪寺を訪ねる気になったのは亀井勝一郎が著書「大和古寺風物誌」で、この寺がいかにもみすぼらしく荒廃の状景を呈して心ひかれると言っていることによる。
また、法隆寺の堂々たる威容と、至れり尽くせりの修理保全ぶりに比べてこの寺はあまりにも痛々しいと記している。
さらに、金堂も講堂も天井は破れ、壁は剥落し、扉は傾いたまま風雨にさらされている。昼間でも鼠が走りまわっているとも書いている。
ここまで書かれるとぜひとも拝観して確かめたくなったのだ。
前回散策した時は門前を通り過ぎただけだったが、そんな雰囲気は感じなかったので今日は400円の拝観料をはらって見学させていただいた。
江戸時代に再建された寺で、唯一飛鳥時代の創建になる国宝の三重塔があったらしいが、それも昭和19年に落雷で焼失し、その後再建されたものとなっている。
亀井勝一郎が訪ねたのは昭和17年なので氏は創建当時の三重塔をご覧になっている筈だ。
現在の寺はそれなりに補修と手入れがされていて大和古寺風物誌に言う風ではない。
お寺の方に「戦前は荒れていたそうですね。亀井勝一郎さんもすごい荒れ寺だと書いておられますが…」と尋ねてみると、「お寺の者としてはそんなに荒らしていたとは思っていないのですが…。文学者一流の表現だったのではないでしょうか」とのご返答であった。
しかし金堂はなんとなく亀井氏のいう雰囲気を漂わせていた(したがって入館は出来ない)。
本尊を始め仏像はすべて講堂に安置されている。
その講堂も耐火耐震の収蔵庫と改築されているので、やはり当時は相当の荒れ寺だったのではないかと想像した。
本尊の薬師如来座像は鳥仏師作と記されていたが、前述の住職の話では寺院にそのように伝わっているだけで本当かどうかは証明されていませんとのことであった。
近くにある「法起寺」の三重塔は飛鳥時代創建のままとのことなので次回はそちらを訪ねてみたい。

そこからのどかな田園風景をみながら法隆寺前を通り過ぎて、旧龍田街道を歩いて竜田大橋へ。
そこから竜田公園を散策した。
竜田川と言えば在原業平の「千早ぶる神代もきかず龍田川からくれなゐに水くくるとは」の句で有名な川である。
神代の昔でも聞いたことがない、龍田川の水が紅葉で真っ赤になっているとの意味だと思うのだが、今はまだ青葉のままであった。
ちなみに、竜田揚げはその色が竜田川の紅葉の色に似ているところからきているらしい。
(竜田揚げはそんない赤いかい?)
こちらも紅葉の時期は見事なものではないかと想像し、その時期には再び訪れてみたいと思った。

中途半端に家を出て田園やら旧街道などを散策したせいで昼食にありつけなかった。
コンビニでおにぎりでもと思ったのだがそれすらなかった。
だから良かったのかも知れない。
おかげで入浴前に体重を計ると1Kgほど減っていた。
これで阪神が巨人にかてば健康回復の一日だったと言える。
コメント
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