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【独仏ポピュリスト政党、ユーロ解体案を提示!】「ユーロ解体」で混沌に向かう欧州①

2017-02-15 00:01:33 | ヨーロッパ

 ひょっとしたら2017年はユーロの枠組みが大きく変わるきっかけとなる年になる可能性もありますね・・・

 この1月、ドイツの極右政党「ドイツのための選択肢」(AfD)のイェルク・モイテン党首がロイター社の電話インタビューで、EU圏の共通通貨ユーロの「解体」につながりかねない考えを語りました。同氏は「ユーロは南欧諸国にとっては強すぎ、ドイツおよび数か国にとっては弱すぎる」と述べ、EU圏はドイツを含む経済的に強い国々と、フランスを含む経済的に弱い国々に分かれるべきだと主張しました。さらにイタリア、スペイン、ポルトガル、フランスを名指しし、これらのユーロからの離脱が考えられる、としたうえでドイツ、オーストリア、オランダ、フィンランドはユーロの中核グループに残るべきで、通貨高になってこれら諸国からの輸出に悪影響が出ても、1~2年ほどでそうしたスランプは終わるだろうとの個人的な見通しを示しました。

 ドイツでは9月に連邦議会選挙が行われる予定ですが、現時点ではアンゲラ・メルケル首相が属する与党・キリスト教民主同盟が優勢です。いっぽうでAfDの支持率も15%ほどまで上がってきました。今後の社会情勢の変化や各政党の合従連衡の成り行き次第では、AfDがさらに支持を集めて与党の一翼を担うことになり、モイテン氏のこの考えを実現させようという動きが本格化しないとも限りません

 ユーロ解体―――ドイツと並ぶEUの大国フランスでも有力政治家がこれに言及しています。5月の同国大統領選に立候補を表明している(これまた)極右政党「国民戦線」(NF)のマリーヌ・ルペン党首・・・のアドバイザーが先日、もしルペン氏が当選したら、ユーロに替わって以前の欧州通貨単位に似た通貨バスケット制を導入するようEUとECB(欧州中銀)に要請すると述べました。この場合、フランスの通貨は「新フランス・フラン」(new French franc)という名称になり、当初はユーロに等価とし、その後は当該バスケットに対する変動率を20%に制限するとのことです。

 これ、EU各国で自前の通貨を持とう、それぞれの通貨でバスケットを組んで極端に為替が上下する事態を回避しよう、ということで、みんなで昔のやり方に戻ろう、と言っているに等しいと思われます。そのあたり、同じユーロ解体でも、ユーロを強者の通貨(ユーロA?)と弱者の通貨(ユーロB?)に分けようという上記モイテン氏のアイディアと大きく異なる点。「われわれの案はAfDのものとは違う」(Ours is not that one[the AfD's])と言っていることから分かるように仏NFとしては、独AfDの案には意地でも(?)賛同できないところでしょう。これだとフランスは否応なく(?)イタリアなどと一緒に弱者チームに分類されてしまうことになり、高すぎる(?)プライドが許さないし、強い通貨のメリットを失ってしまうから。そこで、「フランスさん、あなたはユーロB!」とドイツから屈辱の(?)宣告をされるくらいなら、いっそのことみんなでバラバラに・・・といった感じでしょうか。

 ・・・まあともかく、EU枢軸を形成する独仏両国の有力政党からユーロ解体に向けた考えが公然と語られるようになったインパクトは小さくないと思います。

続く

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