(前回からの続き)
これまで論じてきたことから、日銀・・・の現行金融政策(俗称「異次元緩和」)こそがこの瞬間の原材料インフレの真因(原油等投機の扇動と円安ドル高誘導)・・・なのですが、その「本当に本当の目的」に基づけば、それはむしろ同盟国アメリカを自壊のふちに追い詰める―――制御不能のインフレ(恒常的な実質マイナス金利状態)に陥れる―――という意図を持つ非常に戦略的なものと考えるべきでしょう・・・
このあたり、以前から本ブログでは日銀由来の超低金利マネーを「麻薬」にたとえていますが、日銀は、米FRBが資産バブルの軟着陸を図ろうと引き締めをするタイミングを見計らって、FRBのその意図をくじくべく?米市場に麻薬を注入し(緩和を強化し)、結果としてアメリカを麻薬漬け(借金まみれ)にして「禁断症状」(金利上昇)への耐性を失わせ・・・とやってきて、いまに至る、といった感じ。
そんななか、米ジョー・バイデン政権が進める総額1兆ドルの「インフラ投資法案」が米連邦議会において可決されました。日銀の上記政策意図?に基づいて、これがアメリカにどう作用するか、を予想すると・・・米財政赤字がさらに増加→金利急騰圧力増大→FRB、利上げ・・・どころか量的緩和に逆戻りし、国債等を買いまくり→実質マイナス金利幅が拡大、インフレ激化→米社会はいっそうの分断へ→・・・となるわけです・・・
「だからこそ本邦政府は、アメリカを支えようと、ゆうちょ銀行等に米国債投資をさせようとしているのでは?」たしかに・・・日銀の「本当の目的」(アメリカ支援)をふまえるとそうですね、こちらの記事に書いたことからしても。けれど、それも同「本当に本当の目的」を覆い隠すための用意周到なブラフとみるべき?でしょう。というのは、日銀は意図的に円安ドル高を演出し、ゆうちょマネー等のドル投資効率を下げることで、FRBの量的緩和への米財政の依存度を高めようとしたと読めるからです。つまり・・・同じ100億円でも本来の?1ドル50円ならば2億ドルの米国債が買えますが、いまは・・・(同112円で)0.9億ドルほどしか買えません。となれば、アメリカからすれば、他に対米投資余力のある投資家を見出せるはずもないので、残りの1.1億ドルは・・・FRBに刷ってもらうしかなく、それはそのまま過剰流動性となってインフレを悪化させ・・・というからくりです・・・
と、数々の例から(?)、日銀政策(と本邦政府)の「本当に本当の目的」が見えてくるし、それが着実に達成されつつある様子も伝わってくるわけです。となると・・・本稿タイトルの「張本人」は・・・原材料インフレの、とは別の、もっと重大な意味を持ってきますね。すなわち、畏れ多くも?日本・・・の日銀こそアメリカに引導を渡しつつある(渡した?)「張本人」ということですよ・・・