中国はつくづく「王朝国家」だと思います。
中国4千年の歴史は王朝の栄枯盛衰の歴史でもあります。これまで数多くの王朝が生まれ、そして消えていきましたが、個々の王朝の誕生から滅亡にいたるまでの軌跡には1つの共通点があります。それは次のようなものです。
①貧富の差の拡大や朝廷・政府における腐敗の蔓延
②これらに対する民衆(とくに農民)の反乱が勃発
③反乱軍の指導者層が新たな王朝を設立し、格差是正や改革に取り組むも・・・失敗
④①に戻る
時代が変わっても、王朝が変わっても、まるで判を押したようにこのプロセスが繰り返されています。これは最後の王朝とされる清が滅んだあとも同様に思えます。
1949年に発足した現在の中華人民共和国は、まさに上記のプロセスを経て誕生しました。そして建国当初は、共産主義の理念に基づき、階級格差のない平等な社会を築こうとしたはずです。
しかし、計画経済にありがちな生産性の低さや、度重なる権力闘争などにより、経済・社会が停滞したため、小平時代に改革開放政策が提唱され、以後、市場原理に基づく資本主義のやり方が次々に導入されました。その結果、中国は、おもにわが国の企業などの外資の主導によって高い経済成長を成し遂げ、マクロ経済的にはGDP世界第2位、巨額の外貨準備を積み上げるほどの国となりました。
(続く)