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意外にしぶとい日本国債①

2012-03-03 15:11:35 | 日本

 日本国債が暴落、金利高騰で日本経済が破綻!?

 近頃、こうしたセンセーショナルな予想やシナリオがマスメディアで目につくようになっています。こうしたことは実際にありうるのでしょうか。結論から言えば、その可能性は限りなく低いと思っています。順を追ってみてみましょう。
 
 日本国債の90%以上は日本人によって保有されています。したがって、かりに欧米勢などが日本国債の売りを仕掛けたとしても、日本人、とくに最大の保有者である日本の機関投資家(金融機関)が追随して売りに向かわなければ、暴落ということにはなりえません。よく言われることですが、これが日本国債の価格が安定していることのいちばん大きな理由でしょう。

 ところで日本の機関投資家が日本国債の売却を急激に進めるような自体が本当に起こるでしょうか。それを考えるには、日本国債、つまり円を売って何を買うのかを想像してみるとよいでしょう。

 世界の為替市場のなかで円は3番目に取引高の大きな通貨です。1番目はドル、2番目はユーロです。だから円・日本国債を売却するとなると、ほとんどの場合、ドル・米国債かユーロ・ユーロ諸国債を買うことになるでしょう。ではドルやユーロは円を大量に売ってまで買いたくなるほど安全で魅力的といえるでしょうか。

 まずユーロですが、中・長期的に見れば買いづらいでしょう。ギリシャへの資金支援が固まり、危機が遠のいたとの見方から、現時点(3月上旬)では、ユーロ/円は少しだけ上昇していますが、財政再建や成長戦略構築などの根本的な政策実行は先送りされており、ギリシャを含むPIIGS諸国の国債価格は今後下がる可能性が高いと思われます。

 そして欧州中央銀行(ECB)が昨年末以降、3年間・年利1%の5千億ユーロにもおよぶ大量の資金を金融市場に供給しています。2月末にはその第2弾が開始される見込みです。たしかにこうした潤沢な流動性供給により、欧州諸国の国債市場に資金が回って国債価格が上昇(金利低下)し、当面の金融危機は回避されるでしょう。しかし、その反作用として、通貨供給量が増加してインフレのリスクが高まっていくとともに、円・ドル/ユーロはジワジワと強含みになっていくと予想しています。

 こうしたなかで、ユーロ建ての資産は、(たとえばAAA格を維持しているドイツ国債にしても、)ユーロが対円で下落していくトレンドにあれば、日本人にとっては多くの円を売ってまで購入するメリットは少ないでしょう。(ユーロ圏支援の名目のもと、日本政府のユーロ買い(EFSF債の購入など)はほどほどにしてもらいたいものです。)

(続く)

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