安倍改造内閣、実に馬鹿馬鹿しい。
NHKニュースはそれにかかりきりなので、ニュースも見ずに他局に切り替えた。
最近は安倍の顔は見たくないので、画面に出てくるとそれだけで切り替えてしまう。
それでも嫌でも目に入って来るのはその顔の不健康そうな「むくみ」だ。
国民の支持を失って退陣するというより、再び健康不良で辞任する可能性が高まって来たように感じる。
「アベノミクス」とかいう、架空の経済政策の行き詰まりが健康悪化に追い打ちをかけるだろう。仕方がない。自分の播いた種は自分で刈らねばならない。それが大人の責任というものだ。
NHKという組織は不思議というか、奥が深く広い。
ニュース番組では懸命に安倍政権のヨイショに励んでいて、籾井などというおよそ公共放送のトップにふさわしくない知性と感性の持ち主や、世の中の右傾化に調子に乗って、「狂気の暴言」を吐く長谷川、百田といった経営委員を持ちながら、彼らの目は全ての番組に行き届いていないようで、朝ドラの「花子とアン」にしてからが、蓮子と花子の戦争をめぐるやり取りなどは今の安倍政権が進めようとしている「戦時への危険な傾斜」への批判になっているし、「歴史ヒストリア」という歴史娯楽番組でも琉球、すなわち沖縄という島が中国大陸と日本の中間にあって、独自の政治と文化を持っていて、それを日本の薩摩が蹂躙するところから今日に続く悲劇が始まっていることを認識させてくれる。
フランスの放送局が作った「ヒトラーの時代への検証」ドキュメンタリー番組を見た。これもNHK番組。
ヒトラーは第一次大戦で、最前線の兵士として過酷な戦場を生き抜いている。その第一次世界大戦は敗戦国ドイツにこれまた過酷な賠償を課した。
戦争に敗れたのだから仕方がないとはいえ、国民の間に高まる生活不安に対する不満は、金融界を支配しているユダヤ人に向けられた。
日本に住む私たちには理解できないヨーロッパの「反ユダヤ主義」。フランス人サルトルに「ユダヤ人」の著書がある。
それによれば、「ユダヤ人はユダヤ人であるということがユダヤ人以外の者にとって嫌悪と差別の対象になる」とある。
日本でも在日朝鮮人や差別は根深いものがあるが、それは為政者が意図的に作り出した結果であるが、反ユダヤ主義にはもっと根源的なものがある。
私などは欧米人の顔の特徴などあまり区別できないのだが、ユダヤ人は鼻(鷲鼻)、耳の形などに人種的な特徴があるそうだ。
ユダヤ教とキリスト教という宗教的対立というか問題がその根源なのかとも思うが、ユダヤ人によって十字架にかけられたイエスはそもそもユダヤ人だ。それに刑の執行を命じたのはローマの総督である。
ヒトラーの登場の仕方は安倍晋三より橋下徹だ。橋下は父親が出身で少年時代はその地域で貧しい暮らしをしていた。
ヒトラーは特に貧しいというわけではないが、祖父の出自が不明で、もしかしたらユダヤ系であった可能性もあるという。
ドイツでは祖父母の代までドイツ人であることが証明できなければ「本物のドイツ人」とは認められなかった。
ヒトラーは総統にまで登りつめ、ヨーロッパを席巻し、ユダヤ人600万人を虐殺する大罪をおかし、しかし最後は破たんして自死するのだが、これに比べると、橋下はすでにその影響力を低下させている。
大阪の地盤沈下を公務員と生活保護受給者などの公的保護を受けている人たちのせいにして、不満をそらすのに一時的に成功したが、それは間もなく見破られることとなった。
ヒトラーは賠償を課した側のフランスやイギリスなどを憎悪の対象にしたが、中国や南北朝鮮を憎悪の対象にしようと、日本のファシスト達は懸命に画策するが、中国や朝鮮は日本の主権を何一つ冒してはいない。むしろ侵略した過去を持つのは日本の方で、ヒトラーのようにはこれで人々を狂信に向かわせることはできない。
そして頭角を現したヒトラーを支える周囲の人間が良くも悪くも「維新の会」に集まった連中とは知的レベルが違った。
私は「維新の会」にすり寄った連中のレベルの低さが結局足を引っ張ることになると予想したが、それはそのとおりになりつつある。
戦場体験はあるが、単なる町の青年の一人であったヒトラーがあそこまでドイツ国民を熱狂させ、狂気に駆り立てることができたのはヨーロッパ人の体の一部になっているような「反ユダヤの心性」と、敗者に対する一分の余地も残さない仕打ちのためかと考えさせられた。