木洩れ日通信

政治・社会・文学等への自分の想いを綴る日記です。

「人新世の資本論」が示唆するこれからの社会

2021年06月14日 | Weblog

人新世の資本論と言う新書スタイルの本がベストセラー
私もたまたま入った書店で平積みしてあったので買った。
特に衝撃的なことが書いてあるわけではない。当たり前の常識を持った人なら賛同できる内容。
ただこれを書いたのが1987年生まれのまだ30代の若い斎藤幸平氏と言うのが注目を集めた。
私の若い頃、そう50年前の頃はマルクス主義の社会体制が目指す理想の体制だった。
それが社会主義体制で理想をめざすはずの当時のソ連や中国の実情が必ずしも理想に向かうものではなかった事で時代は一気に社会主義その発展としての共産主義は机上の空論ということで捨て去られた感があった。
「ソ連邦の解体」と東欧諸国の混乱は資本主義の勝利として受け止められたが、これらの国は必ずしもマルクスの理論に従ったわけではない。
対抗するライバルを失った資本主義は暴走の一方。地球の破壊が進みこのまま進んではどうにもならないという考えがマルクスの主張を見直す空気になった。
私はマルクスの「資本論」を読みこなす力はないが、マルクスはずっと変わらず普遍的な哲学として分かち合いの経済を語っていて、それは決して古く捨て去るものではなくよく理解し直すものであるということになってきた。
「マルクス主義の復権」である。

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