木洩れ日通信

政治・社会・文学等への自分の想いを綴る日記です。

真の教養人、大江健三郎

2023年03月15日 | Weblog

ノーベル賞作家大江健三郎さん亡くなる。(88歳)。
私は大江さんの小説の深い理解者ではないが、「ヒロシマノート」や「沖縄ノート」には大いに共感した。
学生時代、寮に住んでいたが「寮祭」で、大江さんの「ヒロシマノート」を適当にパクッて、劇の脚本を書き上演した。思った以上に好評だった。
社会体験をすることなく学生から作家になった人としては同時代の石原慎太郎、その後では平野啓一郎がいる。
大江さんは最初の子供光さんが障害を持って生まれたことで悩みながらも「人間の生きる意味」を深く考え、反核・平和運動にも積極的関った。このあたりもノーベル賞選考委員の選考に影響を与えたと思う。作家は社会的意味を作品と言う形で読者に訴えかけるものだと思う。
夫人のゆかりさんは映画監督・俳優としても活動した伊丹十三さんの妹。伊丹十三さんとは高校時代にしりあったらしい。父親はやはり映画監督の伊丹万作。ゆかりさんは結婚するならお兄さんとは違うタイプの人と思っていたそうで、どういう意味かは正確にはわからないが、でも何となくわかる。十三さんはいかにも才気ばしっている。大江さんは田舎出身(愛媛県内子町出身)の才能はあるが素朴な雰囲気の若者だったでしょう。
大江さんはノーベル賞受賞直後、文化勲章受章を断っている。「戦後民主主義と国が与える文化勲章は似合わない」と言っている。文化勲章って皇居で天皇から授与される。天皇の権威を否定したのが「戦後民主主義のはず。一貫している。「真の教養人」。

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