木洩れ日通信

政治・社会・文学等への自分の想いを綴る日記です。

知られざる日本軍の犯罪「秋風事件」

2019年03月19日 | Weblog

ドイツ人らをスパイ容疑で虐殺「秋風事件」
戦争は犯罪である。国と国が犯罪を犯しあうのだが、「難癖をつけて侵略する側」が主犯であるが、近代日本はこの犯罪を繰り返して来た。今を生きる私たちはこの過去の犯罪を知り2度と過ちをくりかえさないようにしなければならない。そのためにどのような犯罪を犯したのか精査しなくてはならないのだがまだまだ知らないこと、知られていないことが多い。
そのうちの一つドイツ人らをスパイ容疑で虐殺した「秋風事件」は初めて知る事実だった(週刊金曜日・2019・3・15日号)。
太平洋戦争中の1943年3月17日、南太平洋・ニューギニア島の北にあるビスマルク海を航行していた日本海軍の駆逐艦「秋風」上で主にドイツ人からなる宣教師や修道士・修道女ら60人あまりの民間外国人が皆殺しにされたという事件である。
この事件が歴史の中に埋もれあまり知られていないのは、軍の機密として箝口令が敷かれたことに加えてこの4か月後「秋風」自体が空襲を受け大破、ほとんどの幹部が戦死。修理後の44年11月には南シナ海で撃沈され全乗員が失われてしまったからだ。
しかしこの「秋風事件」を目撃した水雷士を父に持つ岡山正規さんが話を聞いていた。言わずと知れたドイツは日本の同盟国である。その同盟国の宣教師たちをなぜ虐殺するに至ったか。
ニューギニア島は当時ドイツの植民地でそこに住んでいた宣教師や欧米からの入植者達をラバウルへ移送するよう命令を受けたのが「秋風」だった。
この時期日本軍はガダルカナルの消耗戦で2万人以上の犠牲を払って撤退。連合軍が有利に戦いを進めた背景にコースト・ウオッチャーという諜報網があり、日本軍も監視を強めていたが、宣教師たちはナチス体制を嫌悪していたが、日本は同盟国でもありそれほど警戒していなかった。これがかえって日本軍の疑心暗鬼を誘い米国やオーストラリアのスパイと疑ったことから船上の虐殺となった。戦争は人を狂気にして行われるものである。ドイツ人達は両手をフックに引っ掛けて処刑台に吊り上げられ機関銃とライフルの一斉射撃で殺され、ロープを緩めると死体が海に滑り落ちるようになっていたという。
岡山さんの父は戦争体験を多くは語らなかったが、小学校の低学年の頃に聞いた話だという。戦争を嫌悪していて親戚が岡山さんに「自衛隊に入ったらどうか」と声を掛けただけで激怒し絶縁したという。
ドイツでは宣教団を率いていたヨーゼフ・ラークルス司教の出身地西部カルカー教会で毎年3月に追悼の礼拝が続けられているという。



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