韓国映画『南山の部長達』を見る。
今までこのパク・チョンヒ大統領暗殺事件を扱った映画やドラマは何本か見て来た。
多くはこの事件後の関係者の動きから迫っていったものが多かったように思うが、この映画は当事者である金部長の事件に至る心理から迫ったもので、サスペンス的ではあるが、アクションシーンは当時の映像を使ったりしていて心理劇になっている。主演のイ・ビョンホンの俳優としての技量が試される映画だった。
大統領の警護室長との忠誠競争の果てにと言うのが今までの定説だったが、この映画は韓国の政治に大きくのしかかっているアメリカの存在を観客に意識させる作りになっていた。
南北分断という現実があり、当時はまだソ連も存在し「東西冷戦」のさなか、アメリカの存在は韓国という国の体制に大きく関わっていて、それは同じ対米従属の日本よりより深刻である。
韓国映画はこうした分断国家の現実がどんな映画にも色濃く反映している。私達日本国民はもっと韓国の現実を知るべきだと思った。
南北統一がいつになるかわからないけれど、その時代になるまでは韓国映画は「国の分断」を引きずっていくと思う。