マスメディアと情報産業と政治権力が組んだ安倍政権の支持率
安倍晋三の政治の私物化、それに倣った閣僚や議員の同様の行動に暴言、基地負担に苦しむ沖縄や原発事故被災で生活を破壊された福島の人々の抗議に全く耳を傾ける気がない現在の政権を「支持する」と、どんな聞き方をしても50パーセントもの人々が答えるはずがないと、かねがね疑問に思って来た。
権力を持っておらず、特別な金持でもない人々、真面目に働いて何とか日々の生活ができる程度の収入を得ている人々の気持ちとあまりに乖離した政権である。
これ程支持率が高ければもっと周囲にそういう雰囲気を感じると思うのだが、狭い交際範囲でしかないが、安倍政権の政策を評価する人を聞いたことがない。
世論調査ではいくつかの政策項目について賛否を問うているが、その一つ一つの項目では安倍政権は必ずしも支持されていない。
なのに全体として政権を支持する人が50パーセントと出るのは詐術があるか、最初からまともに支持率を精査していないからだと最近は思うようになった。
その詐術がまかり通るのに大いに貢献しているのがマスメディアだろう。
日本の場合、明治時代になって新聞が人々に多いに読まれるようになり、続いて雑誌の発行が盛んになり、昭和の時代に入ってラジオの普及が日本のアジア侵略・および対米戦争での「総動員体制」の原動力になった。当時放送局はNHKだけだからここに圧力を加えれば「大本営発表」が可能になる。
人々はマスメディアの言うことを信じたのである。そんなウソの「大本営発表」を真に受けて悲惨な体験をした反省が戦後あったはずなのに、今またテレビやネットで流される情報を真に受けて、反中・嫌韓・北朝鮮憎悪の気分が高まっている。これだけは普通の人達も多いに毒されていることはひしひしと感じる。
仕上げは「共謀罪」である。政府のやっていることはおかしいと気づく人はいる。実際国民にとって害になるようなことを安倍政権は次々と企てているから、その被害に遭っている人達が反対の声を上げる、それを押さえるためである。
高山さんという刑法専門の女性研究者が600以上あった共謀罪に相当する項目が277に減らされたが、減らされたのは政治家・官僚・経済界による予備犯罪であって、従って権力を持つ者達による共謀罪は問われず、一般の人達のやむにやまれぬ政府への抗議を取り締まるためにある法なのであると解説してくれた。