木洩れ日通信

政治・社会・文学等への自分の想いを綴る日記です。

拉致問題を正義の道具にする愚

2014年06月02日 | Weblog

困った時の拉致頼み。
「拉致問題の再調査」で、また安倍政権とマスコミが大騒ぎしている。
いったい何回こんなことを繰り返すのか。その都度失望させて終わる。
安倍やその同調者達は「拉致問題」を本気で解決する気などない。
反朝鮮や、排外主義に国民を煽動することに利用するだけで、だから本心は「拉致問題」は解決してほしくない。これを引きずることによって、近隣諸国との緊張を演出することができる。
集団的自衛権行使容認に対する国民の目が、安倍晋三にとって思いのほか厳しく、ここで、目くらましをして好感度をあげようという浅はかな考えでしかない。
「泣く子も黙る拉致問題」。
北朝鮮の拉致を批判して批判されることはない。だからみんな安心して北朝鮮を批判して、正義の人になった気分になれる。
拉致被害者の家族を象徴する存在が横田めぐみさんの母早紀江さんだ。
上品で美しい老婦人の彼女に嫌悪感を持つ人はまずいないだろう。
12歳の我が子を突然さらわれた、その苦痛の日々を思えば、何も言うことはできないが、それでも私は最近彼女が集会で言う言葉、それはずっと変わらず言い続けていることだが、そして間違ったことを言っているわけでは決してないが、「ほんとにひどい国」などと言うのを聞くと、それは子を奪われた母の個人の気持ちということはわかるが、「待てよ、そんなこと言えるほど日本は立派な国か」と、思ってしまう。
過去、といってもそれほど昔ではない、たかだかこの100年ほどの間に日本という国と国民が朝鮮半島の人々に対してして来た搾取や差別や人権侵害の歴史を思えば、「ひどい国」は日本も同じだ。
「拉致」は突然起きた事件ではない。東アジアを自国の支配下に置こうとした明治以降の日本の侵略行動の延長上に起きた事件だ。
自国の侵略行動に対する反省と謝罪がきちんと成されていないために、なにかトラブルがあるとすぐに朝鮮憎し、中国憎し、で自分たちはまるで一点の曇りもない正義の者であるかのように考える人が多いのにはあきれてしまう。
一般の人達がそうなびく時に、それを抑えるのが政治家の役割なのに、これまた輪をかけた自己中心的人間が、その地位に就いている憂うべき国日本。

コメント
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