木洩れ日通信

政治・社会・文学等への自分の想いを綴る日記です。

「小選挙区制」と「一票の格差解消」で護憲と地方の切捨ての完成

2013年03月29日 | Weblog

「一票の格差訴訟」に違和感。
以前からこの訴訟には「その通り!」と言えないものを感じていた。
選挙制度を今のままにしておいて、一票の格差だけを解消するための区割りをすれば大都市の議員だけになってしまう。地方の声は反映されない国の政治になってしまう。
不思議なことにこの訴訟をする人々は「一票の格差」は問題にするのに合わせて選挙制度の不備、多用な民意を切り捨てる「小選挙区比例並立制」には言及しない。
だいたい、戦時補償や、その他行政訴訟、冤罪の訴えには耳を貸さない裁判所がここへ来て「違憲判決の連打」とは、一体どうしたのかと疑う気持の方が強い。
「何かある」。
違憲判決ラッシュを受けて、維新の会の名前は忘れたが幹部は「比例定数削減」を言っていた。一票の格差と定数削減は関係ないだろう。むしろ格差是正のためには定数を増やさなくてはならないはずだ。
定数削減に安易に賛成する人達がいるが、定数削減をすると、自分達の代弁者がそれだけ減ってしまうことだということを考えなくてはいけない。
お金と組織を背景にした議員だけが当選してくる。
言うなら「定数削減ではなく、政党助成金廃止」と言うべき。
小選挙区制で護憲政党を少数に追い込んだ後は「一票の格差解消」で、地方議員を締め出す。そうしてTPP参加で、アメリカの奴隷に成り下がる。これが今政権をにない、国民の富を奪っている連中の狙いではと指摘する意見があり「なるほど」と思った。
しかしTPP参加で農業を崩壊させ、地方を切り捨てて日本列島は人の住む土地として成り立っていくのか。
それがいつ始ったかというはっきりした認識はないのだが、「林業」は一足早くTPP化で崩壊させれらた。結果、山は荒れ、土砂災害に毎年どこかが見舞われ、野生動物との境界が崩れた。
「農業」が崩壊すると、想定しなかった災害がもっと増え、基本的な食料と水に困る時代が来る。
農山村が崩壊して都市だけが栄えることはあり得ない。それは古代からの歴史が教えている。

ネイション(民族・国民)とステイト(国家)の峻別を
こう言って示唆を与えてくれたのは廣瀬純(龍谷大准教授)だ。
発事故はステイトによって振るわれたネイションへの暴力である。
右翼・保守という立場の人達もそうではない人達もこの二つをはっきり分けては考えてこなかった、というか考えることを避けてきたところがある。
特に右翼・保守の立場の人間にとって「原発事故」は反原発は左翼の専売特許と言っていられない状況を突きつけた。
彼等は美しい国土、美しい日本を守れと言い、それを汚すのは左翼だと攻撃していればよかったのだが、国土を汚したのは「資本+ステイト」の複合体だった。
真の右翼・保守ならばこの「資本+ステイト」と対峙しなければならない。
廣瀬氏によれば、これは原発事故にとどまらず、彼らが主張する近現代史における言説、たとえば「南京大虐殺は無かった」という言い分は国家主義者の主張であり、民族主義者のものではないという。
「南京大虐殺は大陸への帝国主義的侵略を狙う資本と癒合したステイトの恫喝のもとでネイションがそれへの服従を否応なしに強いられた事件だった」とならなければおかしいし、虐殺された人々とは別の意味でネイションもまたステイトによる暴力の被害者であり、ネイションの名においてこの虐殺事件を否定する理由など一つも無いはずだと。
日本の今の状況を右傾化とか極右とか言うが、言うなれば「ご都合右翼」。ステイト+資本による醜悪なネイションの蹂躙である。

コメント
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