投資意欲と景気回復をあおるマスコミ。
昨夜のNHK七時のニュースはネット証券が開催した「投資セミナー」に4000人も人々が集まったと報じていた。
最近の株式市況の活発さに個人投資家が意欲を示したからのようである。
「危ない!危ない」。実体経済の現状に日本の経済が上向く要素はまだ何もない。
どころか、東日本大震災の復興は進まず、原発事故の終息は未だ見えず、東電がこの事故を終息するための本気度を疑わせる停電事故も起きているというのに。
こうした投資セミナーに集まった人達に言いたい。「どうか自分の生活資金だけは残しておくように。それ以上に資金があるならどうぞいくらでもハゲタカファンドにむしりとられてください」と。
そして今日、またNHKニュースは都市部を中心に地価が値上がりをしていて、マンション購入に急ぐ人が増えていると報じた。何かいかにも安倍政権の経済政策が功を奏しつつあるような演出だ。
インフレ傾向になって金利が上がる前に購入をというのが動機だというが、アメリカで中下層の人々を襲った「住宅ローンの破たん」の二の舞にならないか心配だ。
そして根拠のない「景気回復」に人々が浮き足立っているのをいいことに、日米両政府は着々と「日米同盟強化」という名の日本のアメリカへの属国化を進めている。
オスプレイは遂に沖縄から日本本土の空を飛び回るようになった。「本土の沖縄化」だ。
「武器輸出三原則」も打ち捨てられ、F35戦闘機製造への日本企業参入も容認した。
参院選後には自・公・みんな・維新と民主党の半分ぐらいかの国会議員によって、憲法の96条が改定され、権力者を縛るための民主憲法のはずが国民を縛る国主憲法に変えられてしまうだろう。
その時にもう「アベノミクス」とやらの怪しげな経済バブルがまさにバブルで、何も実体のないものだと明らかになっても、もう手遅れで、普通の人達は手も足も出ない。
日本が今まで味わった経験の無い、しかし他国にはその苦しみを与え、にもかかわらず謝罪も反省もしようとしなかった「植民地・属国」の苦しみが始る。
敗戦後の占領や日本政府が基本的にアメリカの言うなりだったという事実はあるが、もっと生々しく直接的に奪われていく。
集団的自衛権を容認し、国防軍にしてアメリカのならず者行動に附いていく日本はもうアメリカの一部だ。
報道は「イラク戦争から十年」と報じた。イラク戦争ではなく、アメリカのイラク侵略だろうと思った。
イラクはアメリカに何も軍事的挑発をしたわけではない。それなのにイラクに侵略した。
国連ではイラクに進軍する決議は得られなかった。アメリカとは兄弟のイギリスがこの侵略を支持し、言いなり政権で命脈を保ってきた日本もいち早く従った。
隣国韓国がたどったような血であがなう民主主義に日本も挑戦しなければならないのか。