木洩れ日通信

政治・社会・文学等への自分の想いを綴る日記です。

今の日本、右翼化というより反知性化

2013年03月01日 | Weblog

TPP参加で日本は「アメリカ型貧困大国」に堕ちる。
日本の「愚か者」の代表、安倍晋三が、アメリカへ行き、「TPP参加交渉」を約束してきた。
「関税撤廃、例外容認」の感触を得たというのがその理由だが、これはアメリカの甘言だ。
だいたいアメリカは戦後、脅しで日本を屈服させてきた国だ。そのアメリカに対して屈米・隷米外交を通して来た日本が交渉で利を得ることはまずない。
マスコミは今のところ農業問題ばかりをクローズアップしているが、もしかしたら、最初は「米の例外」だけは認めるかもしれない。
しかし「米は例外にしたんだから、あとは譲れ」と言われて、国民皆保険制度が崩され(今でも低所得の人が保険料を払えずに無保険になってしまっている実態はあるが)、アメリカ型の金持ちだけは高度な医療を受けられるという「自由診療」の悪夢がすぐ現実となる。
今、辛うじて日本に残っている国民を守るためのさまざまな制度・規制を撤廃して、アメリカのように大企業に好きなだけ儲けさせろというのが、このところ経済でも失速しているアメリカの要求であり、TPPの本質だ。
一応、国と国との交渉という形を取ってはいるが、グローバル企業というのは自国民が苦しもうと、自分達が儲かりさえすればいいという行動体なのだ。これはTPP参加を求めている日本の輸出大企業も同じだ。アメリカ型の「株主資本主義」を取っているこれらの企業は「とにかく利益をあげること」を株主に要求される。しかもその株主はいわゆる「外資」に占領されている。これらの企業はもはや日本の企業とはいえない。
そんな企業に対して日本国民の税金で法人税を減税したり、「輸出戻し税」と称して消費税還付をしたりする必要は全く無い。
やりたい放題の無法が日本に上陸して来る。西部劇の世界の現実化だ。我々は悲惨な運命をたどらされたインディアン=ネイティブアメリカンの道を行くことになる。
反撃しようにも彼等はそのための用意も怠りない。TPPの規定は国家を超え、その規定によれば、相手国で不当な扱いを受けたとして裁判に訴えることができる。しかも訴えられた側が敗訴の確立が高い規定になっている。事実カナダはそれでひどい目に遭っている。
自国が自国の規定で「無法企業」を裁くことも追放することもできない。「訴訟大国」アメリカらしい毒が満載されている。
「美しい国、日本を取り戻す」が安倍のキャッチフレーズだが、「貧しい国、日本に戻る」のがTPPという「暴力団アメリカ」の陰謀だ。
安倍総理はネットをよくするそうで、そこで大変な支持を受けて、すっかり自信を取り戻したそうだ。
しかし私などから見れば、その滑舌の甘い、子供っぽい口調にまるで説得力がない。
貧しい国になった日本が、中国・朝鮮半島を敵に回して軍事大国になることなどできない。
「自主憲法、自主憲法」と騒ぐが、その憲法を「押し付けたアメリカ」の言いなりになる大いなる矛盾に安倍も安倍を支持する世論も感じていないという「愚かさ」。
これを精神科医の斉藤環が「日本国民のヤンキー化」と喝破した。
年末の総選挙の後、この意見が「朝日新聞」に掲載されたそうだが、私は「朝日」を購読していないので知らなかったが、この間ケーブルテレビの番組で知った。
ヤンキーとはオバカな一般アメリカ人の俗称だが、なるほど近頃の日本国民の中に広まっている「中国憎し、朝鮮憎し、生活保護に甘えるな」の無茶苦茶な風潮は右翼と言えるような思想背景もなく、ましてや保守のレベルにははるかに遠いものだったのかと納得がいった。
その特徴は「反知性」。「ゴチャゴチャ理屈言うんじゃない」というもの。
とにかく気合でがんばろうという世界。「放射能も気合で吹き飛ばそう」という結論になる。
しかしこうした傾向がいきなり出てきたとは思えない。
学校で醸成され、学校の外ではテレビにネットに携帯電話。じっくり考えたり、感じたりする余裕を奪われた結果なのだろう。
文科省は学校と教師を締め付け、萎縮させ、忙しくさせて、考えたり、生徒と向き合うことを放棄させた。
今、地方では地元に残って仕事をしている、40代ぐらいがそれなりに地域の顔になって、リーダー的役割をになっているそうで、彼等は知性はないが現場力と社交性があって、これが自民党の支持のまとめ役になっているという。
地元で仕事をして生活している人がそんな人ばかりだとは思いたくないが、地方議員の顔ぶれを見ると当たらずとも遠からずという気はする。
時々このブログでも書いているが、左翼になるには「学習」が必要だ。
圧倒的力を持った支配層に対抗するには「おかしいじゃないか」と論理で対抗しなければならない。
考えることをやめたら「滅亡」が待っている。

コメント
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