木洩れ日通信

政治・社会・文学等への自分の想いを綴る日記です。

誰も幸せにしないTPP

2013年03月15日 | Weblog

TPP参加で中南米の味わった苦難の道に入る日本
3月5日、南米ベネズエラの大統領ウゴ・チャベスが亡くなった。ガン闘病の果てのまだ58歳の無念の死だ。
チャベスのガン死に対しては「アメリカCIAの陰謀工作ではないか」というネット情報もある。そういえばパレスチナのアラファトの死もイスラエルとCIAの合作によるガン死が疑われている。
今までは、こうした「ユダヤの陰謀」的な情報を見ても、どうかなあとあまり真剣に考えなかったけど、最近はそうかもしれないと思うようになった。
権力争いを勝ち抜くための暗殺・毒殺は近代以前は当然のこととして横行していたと思うけど、ガンを誘発するというのは高度な技術と協力者が必要だろうが、CIAとモサドなら、そんなことばかりやって来たのだからやりかねない。
アメリカは北米の原住民から収奪した後は、中南米に手を伸ばした。傀儡政権を作って支配し、政権がアメリカに反抗したり、アメリカの意に沿わない政権が民衆の選挙で誕生すると、チリのアジェンデ政権に対してしたようにあらゆる手を使ってこれを転覆させてきた。
その長年のアメリカ支配から脱して誕生した左派政権の雄ベネズエラのチャベス。
彼の強烈なメッセージに励まされて、中南米の民衆は次々と傀儡政権を倒して来た。
中南米の人々は長年、アメリカ資本とそれと結託した売国政治家・軍人・自国の一部富裕層によって不当に奪われ、貧しさに苦しんでいた。
今、その中南米が苦しんできた道に日本は踏み込んでしまった。
「新自由主義」の果ての「新植民地主義」。
アメリカの要求する多国間自由貿易協定であるTPPの本質はこれだと思う。
TPPの問題点は「農業問題」ではない。
「ISDS条項」なる取り決めはそのメチャクチャぶりから別名「ヤクザ条項」と言ってもいい。
アメリカ企業や商品が日本で受け入れらず、思うような利益が上がらない場合、「これは日本の法律や商習慣に原因がある」として国際機関に訴えることができるというもの。
その国際機関とは世界銀行の中にある機関であり、世銀を支配しているのはアメリカの政府・経済関係者だ。
公正な判断ができる場ではない。日本が敗訴になった場合、日本政府は高額な賠償金を払わされるはめになる。
日本国の税金だ。社会保障や、インフラ整備、将来投資である教育に使われるべき税金がアメリカのハゲタカ企業に不当に奪われていくのである。
テレビ朝日のワイドショーで、元外交官の孫崎氏が説明していた。
これを聞いた司会の羽鳥氏は「ああー」と天を仰いでいた。正直な人だ。
NHKの大越や報道ステーションの古舘のように知ったかぶりはしない。まあそういう立場ではないが。
アメリカ型の強欲資本主義は奪って奪って奪いつくして、奪うものがなくなれば捨て去るだけだ。そうして共に破滅に向かっていく。日本はみじめに奪われる。
こうしたものに自民党を始めとする維新やみんなの党といった右翼政治屋がどうして賛成するのか。彼等は自分達だけはその破滅の外にいられると考える恐ろしく貧しい想像力と頭脳の連中だからだ。
日本の政治や選挙のあり方は鈍感で恥知らずな人間でなければ当選できないものになっている。

コメント
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