木洩れ日通信

政治・社会・文学等への自分の想いを綴る日記です。

「消費税」は誤解が前提

2011年02月20日 | Weblog

東京都知事選。
またその時期が巡って来た。
78歳になった石原知事の去就が注目されている。息子の伸晃が幹事長を務める自民党は石原氏に出馬要請をしたという。
いくらなんでも今度は出ないだろうと思っていたけどそうではないみたい。
こんなに差別発言連発で、上から目線で、新銀行東京の赤字に責任も認めず、問題の多い豊洲への築地市場の移転を強行しようとしていて、教育現場への締め付けは日本一。
極めつけはついこの間都議会で通した、青少年に有害と思われる表現を含んだ漫画やアニメへの取り締まり条例。
人格的に問題があると思われるこのような人物なのに、もし立候補するようだとやはり「強い」のだと、マスメディアの連中は言うのだけれど。
思うに、石原氏が人気があるというより、石原氏が都知事でいてくれることで、既得権益を得ている人がいっぱいいるということなのだと思う。
その人達は一生懸命選挙活動をし、投票依頼に力を入れる。
選挙権のある都民が、全員、いや70パーセント以上投票に行けば、この間問題の多い石原都政、おそらく当選ということはないだろうと思うけど、都民は都知事選にそれほど関心がない。
これは東京都だけの問題ではなく、たとえば私の住む長野県でも、県政が自分と直接どう関わっているのかということは、実はあまりよくわからない。
これが市政だと身近な問題がよく見えるので、誰を市長に選ぶかでずい分変わってくる。
今長野市民は現市長を選んだことを悔やんでいる状態だ。
日本の首都の長を選ぶ選挙だからメディアもよく取り上げる。
まず立候補表明したのは共産党の小池晃氏。
「福祉と教育の公正さを取り戻す」がスローガンだ。
居酒屋チェーン店のオーナーで、福祉や教育の分野にも進出している渡辺美樹氏も続いて立候補表明。
福祉と教育の重視という点では小池氏と重なるものがあるが。
小池さんは共産党の参議員だった人で、テレビ出演も多くて、親しみやすく、わかりやすい語り口の候補としてはなかなかの人だと思うけど、当選ということになると、どうか。
だから渡辺氏が立候補したのは、そんな小池氏に支持が集中するのを邪魔するため、とまでは思えないけど。

「消費税」は「弱い者いじめ税」
「消費税」というからわかりにくい。商品を買った時に税金を払って、それが公的に使われると思ってしまうが、実はそうではない。
これを今みんなに知ってもらおうと「消費税のカラクリ」という本を書いたのが斉藤貴男氏。
現在5パーセントの日本の「消費税」だが、この税の納税義務は事業者にある。そこで小さなお店とか、下請けの業者などは商品の価格にこれを上乗せできず、自腹を切る構造になっている。
あらゆる税金の中で最も滞納が多いのが「消費税」。
消費税が3パーセントから5パーセントに上がり、そこに経済の低迷が追い討ちをかけて、自殺者が3万人を超えたと斉藤氏が解説している。
さらに10パーセントになれば、自営業者の没落はいっそう進み、プロレタリアート化し、それが不安定労働市場に流れ込み、低賃金と失業により、日本社会は惨憺たるありさまになる。
それほど深刻な大変なことなのである。
斉藤氏によれば、「小規模な居酒屋は殆どつぶれて、チェーン店しか残らない」という。
都知事に立候補表明している渡辺氏のチェーン店は残る方なのだろうけど。
これを裏付けるように「居酒屋の倒産」が、昨年過去最多だったと、新聞記事にあった。
大企業の代表「経団連」は消費税増税を強く求めている。
「経団連」に所属するような、輸出大企業には「戻し税」という消費税の還付がある。何ら傷つくことなく、むしろ増収になるのだ。
こうした企業はどこまでも肥大化していく怪物と化しているわけで、その暴走を止めるのは、それ以外の大多数の日本国民だ。
エジプトやチュニジアやその他のアラブ諸国の民衆のように。

コメント
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