木洩れ日通信

政治・社会・文学等への自分の想いを綴る日記です。

アメリカや日本は中国を批判できるか

2011年01月23日 | Weblog

中国のGDP世界第二位に。
日本を抜いたと、大々的に報じられたが、当然の結果だ。
あの広大な面積に10億を超す人口。その人々が国をあげて経済発展にまい進しているのだ。
元々商売上手な民族でもある。
中国を見るとき、日本もアメリカも、中国が国民の人権を無視した政治運営をしていると批判する。
市民社会が未成熟で、一党独裁の弊害があり、経済の発展の一方で格差への不満が高まっている、と北京に派遣されている報道記者の言うことは決まっている。
それはそのとおりなのだろうが、ではそんな高みから論評できるほど日本社会は成熟しているだろうか。
アメリカもまた、何かと言うと他国に対して民主主義が不充分だと批判するが、銃で政治家が倒される歴史を繰り返している国に、そんなこと言われる筋合いはない。
尖閣諸島付近の海域で、中国漁船が日本の巡視艇にぶつかってきたという事件にしても、日本の多くの人は「中国けしからん」と、興奮したようだけど、あの映像を見て、中国漁船が巡視艇にぶつかっても何のメリットもないじゃないか、それどころか巡視艇のほうが大きいのだから、漁船が壊れるか転覆する危険性があるわけで、そんなことをわざわざやったんだろうかと、私はそう思った。
ところで以前、天安門事件に関して、流血なしに学生達を退去させた過程をドキュメントした映像を見たことを書いたが、やはりあの立役者は
ノーベル平和賞を受賞した人権活動家劉暁波氏だった。
インターネット上市民メディア「リベラル21」にジャーナリストの丹藤佳紀氏が「天安門広場で流血なく撤退を実現した劉暁波氏ら」という文を掲載している。http://lib21.blog96.fc2.com/blog-entry-1424.html#more
丹藤氏は元同僚の高井氏が新聞社の北京支局長時代に実際にこの事件を取材した体験とNHKのドキュメンタリー「天安門事件空白の3時間に迫る」の内容からいくつかのポイントをあげたという。
広場の学生達が多数の銃器を隠し持っていることを知った劉氏は武器の回収を求めた。
劉氏と一緒に広場に座り込んだ台湾のシンガーソングライター候徳健氏が撤退策について戒厳軍責任者と交渉し、劉氏が学生達を説得した。
広場から早々に逃げ、海外に出た学生リーダー達は、広場撤退の際、戦車がテント内で寝ていた学生達を踏み潰すのを見た、数千人、一万人を超える死者を出したなどのデマを流したが、それを否定する証言をしたのも劉氏らである。
広場では虐殺の事実がなかったとの劉氏の証言は、事件から約3ヶ月後の89年9月19日の「人民日報」に掲載されている。
「広場から学生達を平和裏に撤退させたのはあなた方4人の功績であると、私達はずっと考えてきた。事実を話すのに何が悪いことがあるのか」と、事件後逮捕された際に捜査担当者から説得されての証言だった。
数千人から一万人の犠牲があったというのがデマだとするなら、中国政府の反論が対外的に聞こえてこないのが不可解ではあるが。

コメント
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