政治は現在と将来の課題を明確にして、その達成目標を具体的に言語で規定して、その実現手段は官僚任せにするだけでは済まない。
自民党政権は、従来は派閥の領袖が将来展望と目標を創造的に規定して、それを実現する政策の熟議に多くの同志を結集してきた。
しかし、一党独裁的になって、しかも安倍主流派の専権事項が多くなり、政策の創造性と熟議が不足する事態となった。
特に、言語を「アベノミクスの3本の矢」と言い出してから、意味不明のスローガンだけが先行して、具体性のある政策が見えない。
何か始めるにしても、官僚から出てくる補助金政策、予算の分捕りとばら撒き、他国の実施例を後追いするサルマネ政策になってしまう。
創造性のない政策ばかりだから、予算配分と政策の実効性は、国会での論戦には全く馴染まないので、国会討議はほとんど儀式に終わる。
野党議員からの問題掘り下げも中途半端で、国会の審議で意義のある政策熟成ができた事例がない。
これは、政権自体の体質問題が大きく、提出した予算案を修正に応じず、法案も原案どうりに通過させるだけの討論に終わる。
いわゆる対話をしないで済ませて、短期間のうちに最小の討議時間で成立することが、最良の国会運営となる潮流が問題なのである。
対話を避ける答弁と、はぐらかしの議論に終始する国会では、創造的な政治は、期待できるわけがない。
官僚支配政治に堕落している。