冷戦終結以後の世界経済は、グローバル化を最善としての【新自由主義経済の潮流】に流されてきた。
この中身は、経済学というよりも、「ひとつのイデオロギー」に過ぎないのだが、表面上は科学であるかのように、繕っている。
共産主義経済が、政府が統制する計画経済と言われるよりも、もっと観念的な理屈で、「経済は政府が関与しないのが一番良い」としている。
国家社会主義経済がソ連を代表として、失敗の典型だという思い込みを、反対にうまく利用した、「政府のコントロールを悪」とした。
国家間のお金の移動を自由化する経済は、すぐに広がって、社会主義経済を採用している国でも、為替レートの政治的調整だけが残された。
モノの移動の自由化は、その以前から勧められてきたが、欧州EUへの統合が進展して、北米でも「NAFTA」北米自由貿易協定が進行した。
その影響で、アメリカでは製造業の衰退が激しく、貧富の格差が大きく増大して、社会不安の原因となっている。
欧州でも、失業率の増大と収入格差拡大がすすみ、若年層の慢性的就職難が、社会の安定を脅かしている。
今や、新自由主義経済は、格差拡大と社会不安の頑強となっている。
富裕層にとっては、資本投下利益率が最良の仕組みなので、政府の要職の政治家に献金を豊富に供給する【賄賂政治が横行する】始末だ。
これを【悪の資本主義】というしか、表現のしようがない。