政権交代した民主党は、「コンクリートから人へ」を政権スローガンにしていたが、約3年の間に、出生率の改善は見られなかった。
将来の国作りの展望を掲げてはいたが、実効性や具体策に欠けるので、国民の大多数は、子供を産まない、育てない、の流れのままだった。
安倍政権も当初は、民主党政権のスローガンを否定して、【人への配慮は少なく、大企業優先、コンクリート国家】を目指していた。
しかし、お金をいくら流通させても経済は活性化せず、ただ株価だけは上昇傾向に転じて、貿易量の増加だけが実績となって空回りした。
やっと働く人への配分を増やして、消費購買力を大幅に向上させることが経済活性化の必須課題とわかり、官制春闘に走り出した。
働く人を大事にするとして、働き方改革にも着手したが、少子化の流れは、その程度では改善しないことは当然である。
そこで、「希望出生率」との標語を打ち出して、1.8を目標数値として政策を打ち出す体制にしたが、遅きに失した感がある。
それでも、何もしなかった民主党政権時代や、安倍政権の1年目よりも、進歩があることは評価する必要がある。
だが、希望出生率という間接的な目標であり、しかも、2以上が人口維持上での数値目標なのに、少な目の1.8を言い出す、「小心者ぶり」はいただけない。
やはり、希望出生率2以上を掲げて、実際の出生率を2まで回復することが、国家の最重要政策目標であろう。