安部首相の施政方針演説に、「世界でもっとも早いスピードで少子高齢化が進む我が国にあっては、・・・」の表現が強調されている。
しかし、マスメディアも含めて、「少子化」と「高齢化」を一括りにして課題を言い出す感覚は、生産年齢人口だけに注目する弊害が大きい。
経済成長を重視する考え方が根底に染み込んで、生産に貢献する人口が減ることは問題であるが、本質は生産だけではなく国創りの問題だ。
少子化は平成時代を通じて、日本での深刻な重要問題であり、出生率の低下は将来の国力を左右する、最大の難問である。
その一方で、高齢化が進む事を悪であるかのような認識は、生産ばかりを社会構造上の優先課題に据える、誤った考え方の典型だ。
高齢者の健康寿命が伸びることは、社会的にも有益な現象なのである。
それを、出生率の低下での少子化と、一緒くたの同列に論じる無神経さには、あきれ返るほかない。
この重要な課題を明確に事実として、分けて捉えて問題の所在を明らかにして、政策として打ち出す「施政方針」は、分けて確立する。
高齢者は、次世代の負担にならないように、健康寿命を延ばすことを、最優先の目標にすべきだ。
そして、出生率の低下で2.0以下の状態を、可能な限りの政策を打ち出して、日本文化の担い手、次世代の日本国の社会基盤を創る。
これには、全国民が目指す方向を一致して、協働すべきなのだ。