日本がバブル崩壊以後の経済停滞に陥った時期に、経済再生の政策として「日本的経営を見直そう」という提言が起こされた。
経団連が主導しての、終身雇用と年功序列型の経営を、欧米型の実力主義の雇用に切り替えていく動きである。
この制度変更の功罪はまだ見えていない面もあるが、同時に行われた「非正規雇用労働者」の制度化と拡大は、大きな罪悪の根源になった。
1995年に提言された「新時代の日本的経営」とされた内容では、単純労働者の身分を不安定にする、大きな制度欠陥が含まれたのである。
その内容の骨子は、「幹部候補生」(長期蓄積能力活用グループ)と、「高度の技術職」(高度専門能力活用型グループ)に分ける。
このグループ以外は、非正規雇用の労働者(雇用柔軟型グループ)に置き換えていく、との内容である。
つまり、幹部になりうるエリート層や高度な専門技術を持つ者以外は、企業の正規メンバーシップから排除すると宣言したのだ。
この提言を受けて「派遣業法が改定され」(1996年)、それまで通訳やITプログラマー、など、特殊な技能にのみ限られた職種が、拡大した。
そして1999年には、対象業務が原則自由にされて、それまでの正規雇用によって担われてきた仕事が、批正雇用に置き換えられたのである。
この重大な変更を【表面的な議論】だけで進めた経団連とその時期の政権は、重大な誤りを犯したのである。
【罪万死に値する】!!