東矢憲二の「気づきの経営」

経営コンサルタントとしての長年の経験を活かして、様々な気づきをご紹介します。
毎日読んでいただくと、心がホンワカ・・・

聴く力

2012-03-13 | 人生の気づき
話す力に比較して、案外なおざりにされているのが「聴く力」。しかし、正しく聴けていないと、情報が不足して、正解を導くことが困難になる。話すことに失敗しても、やり直しはきくが、聴くことに失敗した場合、失敗したことが分かるのに時間がかかるため、やり直しはききにくい。その意味では、聴く力の価値は大きい。

「きく」と言った場合、次の三つの意味がある。一つは、音や声を耳で感じとるというものであり、言葉を置き換えるとすれば「知る」が代用出来る。二つ目は、聞いた内容を理解して、それに応じるの意味であり、この場合は「聴く」と書く。三つ目は、尋ねるとか問うの意味であり、「訊く」書く。

ただ漠然ときく場合には「聞く」を用い、心を込めてしっかりききとろうとする場合は「聴く」を用いる。ここで注意したいのは、「聴く」は単に理解してきくだけでなく、そのきいたことを基に対応判断を導かなければならないことの必要性である。したがって、話を聴きながら、頭の中はその対策措置を検討して、右往左往しなければならない。ここが難しい。

聴く力が働くとき、「きく作業」と「対応判断を考える作業」が同時に進行するので、力の差が大きく表れる。例えば、音楽を聴く場合は、きくだけでなく、感じ取る力が大きく働き、反応処理が同時進行で進んでいる。したがって、単に「聞く」だけで終わってない。

経営コンサルタントが、会社経営者からヒアリングする場合も、まさに「聴く力」が重要であり、力の差が大きく現れる。