東矢憲二の「気づきの経営」

経営コンサルタントとしての長年の経験を活かして、様々な気づきをご紹介します。
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定義設定の見直し

2012-03-09 | 経営の気づき
一度定義付けされた事柄は、見直されることがないのが普通。しかし、特に経営においては、その見直しが、大きな力を発揮することがある。スーパーでの一つの事例を見てみよう。

普通は、「死に筋商品とは、売れ行きが悪く商品回転率が相当に低いもの」である。この定義づけにしたがって、取扱商品の選定をする場合、とにかく売れないものは、売場から一掃されることになる。

しかし、次のように定義を変えるとどのように変わるか。「死に筋商品とは、売れ行きが悪く商品回転率が相当に低いものであるが、全体的には評価が低くても、当社の優良顧客から絶大な支持を得てるものは、死に筋商品とはしない」と定義づけされると、様相は変わる。

即ち、店の近隣にある別荘地からの買い物客は、当社にとっては、沢山の品をお買い求め頂ける優良顧客であり、一般には死に筋であっても、会社として判定する場合は、死に筋商品と見なさないのである。したがって、これらの品については、商品回転率は低いが、売場から排除されることは無い。

このように、定義づけとは、思ってもいない力を発揮することになるので、慎重に扱わなければならない。