東矢憲二の「気づきの経営」

経営コンサルタントとしての長年の経験を活かして、様々な気づきをご紹介します。
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褒めるべきか叱るべきか

2012-01-03 | 経営の気づき
「褒めて育てる」のがよいか、それとも「叱って育てる」のがよいか。このテーマは、しばしば議論になる。ある人は、俺は絶対に部下は褒めない」と公言しているし、「自分は叱られるとやる気がなくなるから、叱らないようにしている」という方もいる。どちらがよいのだろうか。そこで、二つの実験結果をご紹介しよう。

ゲームで勝って賞金を得たときと、他人から褒められたときの脳の反応を特殊な装置で撮影して比較した。すると、他人から褒められた時と現金を受け取った時は、人の脳の同じ部位が活性化する。つまり、人は褒められると嬉しいということが、科学的に証明されている。

では、叱られることはどうであろうか。叱り方による脳の反応の違いを観測する実験の結果、すぐに行為を止めさせたり、とにかく意識を向けさせるときは、激しく叱ることに効果があることがわかった。ただし、何度も激しく叱られると、脳の活動が弱くなり、注意力も落ちていくこともわかった。そして、根本から行動を改めさせたり叱られた原因を考えさせるときなどは、冷静に叱ることに効果があることもわかった。

つまり、褒めることと叱ることは、どちらも効果があるということだ。したがって「どちらがよい」という問題ではなく、正しく使い分けるものだと言える。