東矢憲二の「気づきの経営」

経営コンサルタントとしての長年の経験を活かして、様々な気づきをご紹介します。
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取引先の活用

2009-06-01 | 経営の気づき
経済環境の厳しい昨今、各業界とも競争は熾烈を極めています。そのような厳しい環境を生き抜かなければならない企業は、他社の持たない独自の手法を構築することが必要です。

例えば、どのような取引先を選ぶか、その取引先に対して何を要求するかも、独自能力の一つに成り得ます。通常の企業は、仕入れ納品価格の比較によって取引先の選択を行いますが、果たしてこれだけで良いでしょうか。

次に、分かりやすい事例を一つ提供しましょう。某スーパーは、商品の棚割を全て取引先の卸会社に任せ、仕入れ商品の検品も一切行っていません。メリットは、入荷検品の人件費のカット」と「売り上げ効率の高い売り場作り」「商品回転率の向上」です。

ただし、POSレジから吸い上げた単品ごとの販売デーと月次棚卸の結果から、自動的に納品数量を計算し、同社に対する支払金額も所定の計算方法によって自動的に導き出します。

要するに、卸会社の棚割管理の拙劣が支払い金額に影響するため、もともと同社の強みであった棚割管理にさらに磨きをかけようとするわけです。スーパーの乏しい人材を補うために、取引先の人材を活用するこの手法、なかなか見事です。