花好き・旅好き80代北国女性の日記(ブログ開設18年目)

趣味はガーデニングと家庭菜園、外国旅行だが、新型コロナ禍と膝の不調、円安が重なり、今は外国行きは見合わせている。

住まいの備え

2011年03月26日 | 暮らしと住まい・耐久消費財
大震災が起るたびに普段からの備えが重要であると警告される。
今までの日本人にとって、最も新しい記憶は、阪神淡路大震災の時の惨事だった。
私も6年前に家を新築することにした時、1番に火災や震災の備えを考えた。

先ず家造りに生かした教訓は、①単純な形、軽い屋根、構造上で地震に強い家にする。②できるだけ各室に2か所の出入り口を付ける。③2階からも外に逃げられる。④寝室の収納は作り付けにして、家具の転倒による事故を防ぐ。電燈は天井に貼り付ける形の物にする。
⑤エネルギー源を1つだけにしない。安全のために炎が出ない電気暖房にしたが、調理台はガスにした。電磁調理器の電磁波が心配されたし、いざという時には引いてあるガスも暖房にできるからだ。

しかし、家を建てる地盤そのものが弱かったら困るので、⑥地盤を調べ、対策をする。
先ず、盛り土をして作った分譲地は避けた。浸水した歴史がないかどうかも自治体に問い合わせて確かめた。また、北海道の地質について書かれている本を読んで、道央圏の地質を調べた。
建築する際は、地質調査をし、必要な杭を必要量打ってもらった。勿論、基礎もしっかりとしてもらった。
(そしてお金はかかったが、外部の検査機関を入れて、建設途中に検査をしてもらった)

こうした事から考えると、今回TVに映される町ぐるみの大変な被害状況を見て、何故、海に面した低地なのに、多くの人が住む町を拡大し続けたのかが不思議なのである。
私の知識では、自治体は5年ごとに土地利用を見直し、市街化区域、市街化調整区域、準工業区域、工業区域などと設定し直しているはずではないのか。
今回、避難場所に指定されていた建物でも、多くの死亡者が出ている事を見る必要があると思う。
今後の町の再建に当たっては、津波の被害の出ないより高地を市街化区域に指定していくことを望みたい。
高い丈夫な防波堤で町全体を取り囲むことは難しいし、今回、防波堤があったがために、引き波が出ていけなかった町もあるらしいからだ。

イタリアは、北部はヨーロッパ大陸に繋がっているが、他は地中海に突き出た国であり、島国の日本列島に似ている。
しかし、一部の港湾都市を除いて、沢山の町や村が海辺から離れた高地に造られている。鉄道の線路もしかりだ。
だから行って見ると狭い斜面に寄り添うようにして家を建てて人々が暮らしている。高台の建物への行き来は不便で大変だし、漁師は毎度、海辺まで下りなければならないが、数千年の歴史で受けた経験を、きっと生かした生活をしているのだろうと思う。去年行ったシチリア島でもそうだった。
勿論、建築資材の多くは石材なので、低地に住んだとしても、津波に襲われた場合は、木造住宅程には破壊されないのだが。
(木の比重は0.38だというから、水が来れば日本の木造住宅は、今回の様に皆、土台から浮き上がってしまうのだ)

今回の東日本大震災による未曾有の大惨事から得た教訓を、被災地は勿論の事、私たちは決して無駄にしてはならないと思っている。


コメント
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