「エクソシスト」の鬼才ウィリアム・フリードキン監督に
自身のツイッターで「この作品よりも怖い映画は見たことがない」と言わしめ
低予算ながら、サンダンス映画祭をはじめ各地の映画祭で評判を呼び、本国オーストラリアのアカデミー賞で作品賞受賞
2014年世界的に最も話題を集めたインディ・ホラー。
日本では惜しくも劇場未公開のまま、DVDスルー!
全米最大批評サイトRotten Tomatoesで98%Fresh
ホラーとコメディの未公開ものは積極的にDVDレンタルか購入で観てるけど久々に面白いホラー。
(観てから1ヶ月経つんだけど)
ちなみに、最優秀作品賞を「インターステラー」が受賞したイギリスのEmpire誌が主催する
第25回ジェイムソン・エンパイア・アワーズでは、最優秀ホラー映画を受賞。
監督は女優出身のジェニファー・ケント。自ら手がけた短編を基にした本作で記念すべき長編デビューとなる。
最初に煽りすぎ?
さて、お話。
夫に先立たれたシングルマザーのアメリアは、問題児の息子サミュエルに手を焼いていた。
キャメロンをすっぴんにして疲れて老け顔にした感じのこの女性
エシー・デイヴィス。過去、「真珠の耳飾りの少女」「シャーロットのおくりもの」などに出演。
サミュエルは学校にお気に入りの武器を持ち込み、退学になってしまう。
寝る前にベッドの中で絵本を読み聞かせるのが日課。
この子、新人ちゃんだけど自然な演技がすごいうまい。今後も期待したい子役の一人
ある日、家のタンスの上に、見たこともない奇妙な絵本を見つける。
それは、めちゃ不気味な飛び出す絵本。
<彼の名はババドック。おかしな物音とノック3回。バ・バ・バ、ドック!ドック!ドック!彼の来た合図>
読み始めると、、、、、
こっわ!!
それ以来、サミュエルは「ババドックがいる!」と怯えるようになったので
アメリアは、見れば見るほど気味の悪いその絵本を破り捨てる
が、いつの間にか家の前に修繕されて戻って来た!!
何者かが置いたのか?
謎の絵本にかけられた呪い?幼い息子の心の闇?
はたまた育児ノイローゼ気味の母親が抱いた妄想か。
8/10(80点)
評価されただけあり、なかなかの拾い物ホラー。わたしはそこまでの評判とは知らずに観たから
余計に拾い物だこれ、的な感じになったのかも。
期待しすぎるとちょっと好みに分かれそうな作品ではあるけどホラー演出がよくできていることは確か。
母と子の愛情の裏で。愛してるのに思うようにならない感情が生みだす何か。
シングルマザーで育児ストレスを抱えている母親の描写や実の妹にすら、この息子を含め
煙たがられている、周りに溶け込もうとしてもうまくいかない。
見せようとするよりも、見えない恐怖、掻立てる恐怖はやはり最強。
でも、そこまで怖いという作品ではないけれど、恐怖の煽り、演出が秀逸だし
美しい映像と言葉にするとチープだけど、全般の絵面も薄暗い中、映るものはシンプルだけど
グロさのない、クオリティの高いホラーに仕上がってる。
息子が見ているアニメもなんだかシュールで不気味
どうしようもなく手に負えない息子サミュエルの憎たらしさは前半、ピークに達し、
母親アメリアに同情したくもなるけど
だんだんとそれが母親にも原因があったのでは?というように味方も変わる。
息子は息子なりに、母親を愛していて「自分がママを守るんだ」という気力で頑張る姿も健気で。
途中までは特に良かったんだけど、終盤でやや失速してしまった。
ついにやはり絵本通り、アメリアに憑依してしまったババドックがサミュエルを襲う。
現実だったのか幻想だったのかいや、あれは実際に存在したのか?
ラスト近くがあまり好みではなかったんだけど、最近のホラーの中では十分楽しめたので
ギレルモデルトロ製作の「MAMA」が好きな人は好きかと。
あと、ジャンルとしては今年イチオシのホラー「グッドナイト・マミー」(⬅︎こちらはオーストリア映画)
に近いかな。
ハロウィンも近いし、秋の夜長に是非。
部屋を真っ暗にしてどうぞ
夫を悲惨な事故で失ったシングルマザーのアメリアは、一人息子のサミュエルと共に暮らしていた。サミュエルは学校でしばしば暴力的な行動を起こす問題児。
言うことを聞かない息子に手を焼き、アメリアは疲れ果てていた。一方、サミュエルは、母親の読み聞かせで眠りにつくのが習慣で、その日はアメリアの知らない一冊の本を取り出し、彼女に読んで欲しいとせがむが…。
DVD『ババドック 暗闇の魔物』予告編
THE BABADOOK 2014年 オーストラリア 94min