なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

肺癌患者さん永眠

2013年06月18日 | Weblog

 3日前に食事をとれなくなって入院した80歳台の肺癌終末期の患者さんが今日亡くなった。検診で異常影を指摘されて、2年前の1月に県立がんセンターを受診した。右上葉肺癌(扁平上皮癌)を診断されtが、手術適応はないと判断された。放射線療法を受けたが、抗がん剤治療は希望せず、外来で経過をみていた。そのうち右肺がつぶれてしまい(癌の進行と無気肺)、がんセンターへの通院が困難となって。先々月に緩和ケア継続目的で当院に紹介された。

 受診した時はできるだけじたくで過ごしたいと希望したが、食事摂取できず、2日後に入院した。ステロイド(デカドロン)で食欲が出て、倦怠感も軽減して元気になった。退院したいという希望で、外来通院とした。2週間おきに通院していたが、先週末に食事摂取できなくなり、再入院した。今後は食べられなかった。今日の昼に呼吸困難が悪化して、夕方に亡くなった。家族がまたすぐ病院に来るつもりで、いったん自宅に戻った時だった。ことらも数時間は変わりないだろうと思っていたので、申し訳なかった。呼吸が停止して、心拍も停止した。病院に戻った妻は自宅に行ったことを後悔していたので、ちょうど戻った時に心臓が止まったとお話しした。妻は、ごめんね、待っていたんだねえと言っていた。

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血糖7mg/dlのその後

2013年06月17日 | Weblog

 血糖7mg/dlで入院した81歳女性は、入院後5%グルコース入りの点滴を持続していたが、血糖は30~50mg/dl台で推移していた。血糖30でも意識はあり、これまでずっと飢餓状態が続いて、低血糖で経過していたと思われる。経口摂取は経管栄養食を少し飲み込めるかどうかだ。認知力は低下しているが、簡単な会話はできた。胃瘻による経管栄養にもっていくしかないと判断した。家族(夫)の希望は少しでもいいから口から食べさせたいということだった。胃瘻なら、経口摂取併用でいけるし、関節リウマチの薬(経口)も使える。

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椎間板ヘルニアはあるが

2013年06月16日 | Weblog

 昨日の土曜日日直をしていた。内科クリニックから、気管支炎として治療していた42歳女性が、診療後に右下肢の痛みで動けなくなったので診てほしいと電話がきた。4日前から咳が続いて、外来治療をしていたそうだ。もっとも当院に来てからは咳をしていなかった。右下肢の屈側が痛いという。腰部椎間板ヘルニアで整形外科に通院していたが、昨年からは行ってない。痛い時に自分でロキソニンを飲んでいたそうだ。当院の整形外科にも5年前に受診していたが、その後は他院に行っていた。L4-L5にもあるが、L1ーS1がひどいらしい。内科クリニックには普通に歩いて受診していたので、誘因もなく急に痛くなった原因はわからない。それにしても、内科クリニックの処方はマクロライドとニューキノロンが出ていて、その日外来でカルバペネムとテトラサイクリンを点滴静注されたいた。肺炎はなく、細菌性の可能性も低いのだが。

 外科系の日直は整形外科医だったので、診てもらった。咳が続いていたり、体調が悪くて横になることが多かったのがあるかもしれないが、どうも心因性の要因が大きいようだという。両親がついてきていたが(それも珍しい)、患者さんと同じ雰囲気の父親が整形外科医にいろいろ質問していた。 

 ボルタレン座薬を使って休ませていた。当院の整形外科は椎間板ヘルニアだと、よっぽどひどくないと入院にはしていない。ロキソニン処方で来週外来に来てくださいと話していた。本当に帰宅できるのかと思っていたが、その後外来の看護師の話では、普通に歩いて帰ったそうだ。

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るいそう著明で血糖7mg/dl

2013年06月15日 | Weblog

 81歳女性が意識障害で救急搬入された。30歳台から関節リウマチがあり、両側手指は完全に拘縮変形したいた。2年前から寝たきりとなり、1か月前からは経管栄養食を少し飲むだけだった。体重は20Kg台だろう。まさに骨と皮で、老衰状態だった。血糖が7mg/dlと著名な低血糖だった。グルコース静注で意識は改善したが、もともとごく短い発語があるだけで、認知力も低下している。頭部CTで脳血管障害はないが、全体に委縮が目立った。

 グルコース入りの点滴と、それでも低血糖になれば、グルコース静注で対応するしかないが、そのあとはどうしようか。経口摂取はきびしい。胃瘻造設に話を夫にしてみたが、希望しなかった。昔ながらの経鼻からの経管栄養ならばできそうだが、あまり乗り気ではなかった。夫は、治るとは思っていませんという。点滴で経過をみるしかないかもしれない。副腎不全などがあれば、ステロイドに反応するかもしれない。肺炎(たぶん誤嚥性)もあるので治療するが、それだけの問題でもない。

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本当に食事のせいなのか

2013年06月14日 | Weblog

 入院していた80歳台女性が昨日の朝に、意識レベルが低下した。明日退院の予定だったが、3日で回復するかどうかわからないので、隊員は来週まで延期とした。

 この方は一人暮らしで、軽度の認知症があり、妹の世話と介護サービスを受けて生活していた。デイサービスに行く日に、いつもは家の前で待っているのに、その日は出ていなかった。施設職員が家の中に入って、倒れているのに気が付いた。呼びかけると返事はするが、活気がなくいつものように動けなかったそうだ。そのままデイサービスに連れて行ってしまったが、夕方になっても状態が変わらないため、当直帯に入ってすぐの時間に病院に連れてきた。もっと早く来いと言いたくなるが、施設の判断なので仕方ない。

 脳血管障害の発症もなく、肺炎もなかった。尿が混濁して、腹部CTで右腎臓周囲にケバ立ちがあり、その周囲の脂肪組織にdirty fat signがあり、肋骨脊椎角に叩打痛がある(と思われた)。急性腎盂腎炎として入院して、抗菌薬(セフトリアキソン)を投与すると、意識レベルも改善した。自分でトイレに行けて、それなりに話もできるが、理解力が低下していた。長谷川式で16点なので認知症相当だった。頭部CTでは明らかな脳血管障害はなく、それほど萎縮は目立たなかった。世話をしている妹は、一人暮らしの継続は難しいと言っていたが、ご本人が施設入所をいやがり、結局自宅に戻ることになっていた。

 急に意識レベルが低下して、本人に聞いても嘔気があるとも言わないが、ごみ箱に吐物があり、一回片づけた後にも嘔吐したので、少なくとも2回は嘔吐していた。ベットに横臥して、まったく動けなくなっている。発熱や咳痰はなかった。腹痛もなく、下痢もしていない(らしい)。血液と尿の検査はあまり異常を認めない。胸部X線で肺炎はなかったが、嘔吐しているので、誤嚥性肺炎が出てくる可能性はあった。頭部CTも異常なかった。原因はよくわからないが、点滴と抗菌薬(誤嚥性肺炎を考慮してアンピシリン/スルバクタム)を投与して、経過をみることにした。今朝は意識が普段と同じに戻っていた。食事したいと言っているという。一昨日に食べた魚がおかしかったというが、他の患者さんで嘔吐した人はいない。何だかよくわからないが、改善しているのは間違いないので、昼から食事を再開することになった。

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脂質異常症の講演会

2013年06月12日 | Weblog

 来月の医師会の講演会は脂質異常症をテーマに行われることになり、座長依頼が来た。勤務医で管理職ではないので、医師会の会合に出ることはまずない。小さな医師会で会員が少ないので、年に1回くらい座長依頼が来る。個人的には唯一の医師会活動だ。出身医局の関係で糖尿病がテーマの時に2回頼まれた。多少知っている先生方だったので、それなりにお話しできた。今回の講師の先生はまったく面識がない。協賛の製薬会社から講師のプロフィールが送られてくるはずなので、それを見て講師紹介をするしかない。座長の役割として、講演前に講師の先生を接待する(お茶を飲みながらの歓談だけ)ことになっている。その先生の勤務先の経営者が確か医学部の同級生のはずなので、その話になりそうだ。

 一応は脂質異常症の勉強をして臨むことになるが、脂質異常症はあまり良い本がない。以前購入していた「脂質異常症薬物治療のハンドブック」(南江堂)を読み返すことにした。

 今日は比較的病棟の入院患者さんたちは安定している。93歳の胆道感染症・肺炎はしだいに悪化しているが、週末まで持つかもしれない。98歳と95歳の全身衰弱(老衰)の老女2名は最小限の点滴と経口摂取数口だが、もう少し持ちそうだ。

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間質性肺炎

2013年06月11日 | Weblog

 80歳台女性が基幹病院呼吸器科から転院してきた。先週電話が来て、間質性肺炎の増悪で入院している患者さんが症状軽快したので、リハビリのために転院をお願いしたいということだった。これまで何人かの同じ疾患の患者さんを引き受けていたので、快く引き受けた。

 関節リウマチ・間質性肺炎で内科医院に通院していたが、慢性呼吸不全となって在宅酸素療法を導入されていた。息切れが目立つようになり、基幹病院呼吸器科へ紹介予定だったところ、急に呼吸困難となって救急搬入されたそうだ。間質性肺炎自体の増悪ではなくて、誤嚥性肺炎の併発による悪化だったらしく、抗菌薬投与で経過した(メロペンとシプロキサン併用)。酸素吸入していて、関節リウマチがあり、なにしろ高齢なので、あまりリハビリしてもADLは改善しないだろうと予想された。長く入院させられないベット事情を知っているので、とりあえず引き取って、1か月くらいやってみて在宅かなあと思った。

 今日来てみると、CVラインが挿入されていて、食事摂取はあまり進んでいないという。リハビリ自体無理な状態だった。担当していたのは電話してきた部長先生ではなくて、若手の先生だった。紹介状には悪化した時はまた戻してくださいとあったが、追記として悪化した時は貴院で看取って下さいとあった。家族に、何といわれてましたかと尋ねると、人工呼吸管理の適応はないと言われましたという。確かに、小柄で痩せたおばあさんで、酸素吸入しても少し話をすると息が切れている。はたして在宅にもっていけるかどうか、わからない。また在宅の介護力も問題ありそうだ。まず1~2週間診てみないと判断できないが、最期まで病院の可能性もある。

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脳室内出血のみって何?

2013年06月10日 | Weblog

 75歳男性が10日前から頭痛があり、3日前に内科の予約日に受診していた。おそらく明らかな神経症状を認めなかったため、担当医がふだんの糖尿病と高血圧症の処方にNSAIDを追加処方していた。今日再び頭痛で外来受診して頭部CT検査をしたところ、脳室内出血があった。脳実質内には取穴はなく、くも膜下出血でもなかった。脳外科医が診察して、脳血管疾患の専門病院に転送となった。脳血管造影による精査をお願いしますという紹介状だった。脳室内出血のみって何ですか。

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93歳の総胆管結石

2013年06月08日 | Weblog

 上腕骨骨折と腰椎圧迫骨折で整形外科医院に長期で入院していた93歳女性が発熱で昨日当院へ搬送されてきた。責任者は二人の甥で、連絡したが来られないということで当直医が電話で病状を説明した。総胆管結石・胆のう結石で胆道感染をきたしてDIC・ショック状態だった。肺炎もきたしていたが、おうとから誤嚥したのかもしれない。内視鏡治療もむずかしく、保存的に治療するしかない。助からないと思われたが、一晩過ぎて意外に病状が持ち直してきた。

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何と表現するのか

2013年06月07日 | Weblog

 学会で不在の間に、16歳女性がまた受診していた。今年になって2回意識消失で救急搬入され、3回目はけいれん発作で搬入された。頭部MRIと脳波で明らかな異常はなかった。てんかん専門の脳神経疾患病院に紹介したところ、てんかんにしてはおかしいが否定はできないという返事だった。心療内科への紹介も考慮されるとも書いてあった。その後、頭痛で外来を一度受診した。救急車以外で歩いて受診したのは初めてだった。

 今回は不随意運動が続いて受診していた。首と上肢をぐにゃぐにゃと動かしていたそうだが、意識は保たれていたという。当直帯に入ったばかりの時間帯で、当直は外科医だった。内科の若い先生が帰宅する直前だったが、呼ばれて診察した。セルシン静注であまり効果がなく、結局よくわからないまま入院して翌日までにゅいんすることになった。翌日神経内科医が診て、今度は精神医療センターに紹介転院となった。紹介状の病名にはヒステリ-性てんかんとしてあったが、精神科医はなんと表現するのだろうか。

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