なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

どう見ても穿孔性腹膜炎だが

2013年06月24日 | Weblog

 昨日の日曜日に81歳男性が腹痛で救急外来を受診した。当番は小児科医で当番の消化器科医が診察した。私自身は知らない患者さんだが、内科外来に通院していて、担当医の話ではいつも腹痛の訴えがあるという。精神疾患をもっているらしい。

 腹部は柔らかく、いつものことではあり、それだけでは何か処方して帰宅となるだずだった。ところが、腹部X線で(正確には胸部X線の方がみやすいが遊離ガス像を認めた。腹部造影CTで、明らかな腹腔内に細かなガス像が散在していた。消化管穿孔による腹膜炎のはずだが、診察した当番の外科医も腹部が柔らかくて腹膜炎の腹部所見がないので、困惑したらしい。少なくとも株消化管の穿孔ではない。胃幽門前庭部が疑わしかった。外科医は緊急手術の適応に迷ったのだろうが、翌日まで保存的に経過をみることになった。

 今日も特に腹痛や腹部所見の悪化はなく、発熱もないし、炎症反応の上昇(入院時軽度にはあった)はほとんどない。手術をする予定だったらしいが、結局今日も経過観察のままでもう一日みることになった。

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