「jmed60 侮れない肺炎に立ち向かう!」山本舜吾先生編著(日本医事新報社)を読み返していた。肺炎についてまとまった記載がされていて参考になる。画像(胸部X線・胸部CT)は少ないが、それは別の画像の本で確認できる。(中島啓先生の本など)
「肺炎と心不全を見わける方法」「よくならない場合に何を考えるか?」「非感染性肺炎を疑ったらどうする?」などの項目は他の本にはあまりない実践的な内容になっている。
この本は2019年2月25日発行のいわゆる「コロナ前」なので、当然COVID-19の記載はない。ただこの本自体が以前に出た本の改題改訂版なので、COVID-19の内容も盛り込んで、また新たに発行されるのかもしれない。
なかには感染症専門医らしい、一般医にはそれはちょっとという記載もある。
尿中肺炎球菌抗原検査のところで、「筆者は本検査をほとんど使用したことがない。筆者の施設では、肺炎を疑ったらとにかく良質な喀痰を取るようにしている。」とある。
現実的には喀痰培養がとれればラッキーで、なかなかそううまく取れるものではない。尿中肺炎球菌抗原はかなり重宝な検査で、検査に適した喀痰が取れない時はほぼ100%検査している。
肺炎球菌肺炎の治療でも「肺炎球菌肺炎であれば、ペニシリン系抗菌薬がいまだに最も有効な薬剤のひとつであり、古典的な狭域ペニシリン(ペニシリンG、ビクシリン)で治療ができる。」とある。ビクシリンはいいとして、ペニシリンGを使う一般医はいないと思うが、感染症医のこだわりがあるようだ。
治療を書かれているのは岡秀昭先生。当方は岡先生の著書を愛読、CareNeTVの講演を愛聴していて、大阪で開かれた適々斎塾で著書にサインをいただいてきたくらいで、尊敬申し上げている。あくまで感染症の先生らしいなあと思うだけです、はい。
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