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なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

もやもや病・脳梗塞

2025年03月16日 | 脳神経疾患

 糖尿病の50歳代前半の女性を数年前から外来で診ていた。両親が糖尿病で通院していて、2型だが遺伝性の要素が大きい方だった。

 肥満があり、「減量がんばりま~す」と明るく言うが、体重はあまり変わらないかった。DPP4阻害薬・メトホルミン・SGLT2阻害薬・少量SU薬を使用していて、HbA1cが8%前半だった。GLP1受容体作動薬のいい適応と思われたが、下痢が生じて継続できなかった。

 昨年9月に、ふだん感冒時などに受診してたる内科クリニックから甲状腺腫で紹介になり、内分泌専門の若い先生が診てくれた。甲状腺機能亢進を認めたが、抗TSH受容体抗体は陰性で、無痛性甲状腺炎として?経過観察されていた。

 その後はその先生が糖尿病も診てくれていた。実際、内分泌代謝に詳しい先生の方が適任なのだった。

 

 3月初めに地域の基幹病院糖尿病科から当院の回復期リハビリ病棟に、その患者さんが転院してきた。外来で診ていた先生がそのまま担当になっていた。

 1月初めに右半身麻痺が発症して、地域の基幹病院に救急搬入されていた。頭部MRIで両側大脳(特に左大脳)に梗塞巣を認めた。

 しかしそれ以上に意識障害があり、ケトアシドーシス(pH6.8)があった。(血糖350mg.dLでSGLT2阻害薬に特徴的な正常血糖ケトアシドーシスではなかった)

 担当科が糖尿病科で、脳神経内科と併診となった。ケトアシドーシスは治療ですみやかに改善したそうだ。その後インスリン強化療法を行ってから、インスリン使用を離脱していた。

 甲状腺機能亢進もまだあり、発作性心房細動の治療も要したとある。当院転院時には特に治療なしで甲状腺機能は正常化していた。一過性の機能亢進となると無痛性甲状腺炎と思ってしまうが、バセドウ病(抗TSH受容体抗体陰性例)の自然経過の可能性もあるそうだ。

 梗塞巣多発で発発作性心房細動による心原性脳塞栓症も疑われたが、MRAなどで基礎にもやもや病があると診断されていた。脳外科の判断では手術の適応があるそうだ。

 

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