なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

わからない感染症

2018年08月03日 | Weblog

  先週の土曜日に、58歳男性がその日からの悪寒(悪寒戦慄ではない)と高熱で救急外来を受診した。発熱以外の症状はなかった。

 気道症状はなく、胸部X線・CTで肺炎胸膜炎像はなかった。腹痛・腹部圧痛はなく、肝機能障害はない。尿混濁があったが、CVA叩打痛はない。普段排尿障害はなかった。前立腺炎も疑ったが所見はなく、血中PSAは正常域だった。関節炎・蜂窩織炎の所見はない。心雑音、末梢指趾の敗血症性血栓、心不全症状はない。

 尿路感染症とするしかないかと思われて、血液培養2セットと尿培養を提出していた。入院治療を進めたが、入院はしたくないと言う。外来でセフトリアキソン点滴静注をして、レボフロキサシン内服で経過をみることにした。良くならなければ予約日前に受診してもらうことにした。

 3日後に外来に来た時は、前日から平熱になって、調子がよいと言っていた。炎症反応は軽快して、尿所見も改善していた。ただし、レボフロキサシンによると思われる発疹が出ていた。

 尿培養の結果は予想外で、Staphylococcus aureusが検出されていた。血流感染から尿中に入ってきたのか、コンタミなのか。レボフロキサシンを中止して、セフェム系の内服薬に変更した。その日心エコー検査が混んでいたので、心エコーは次回に予約した。

 今日38℃の高熱で予約外に受診した。発疹は軽快消失して、やはり発熱以外の症状はない。正常化していた白血球数が再度上昇していた。CRPは前回より低下していたが、再燃したばかりだと遅れて上がってくる可能性が高い。初診時の血液培養は中間報告では陰性だった。尿所見は異常なしで、肺炎の併発もない。緊急で入れた心エコー(経胸壁)で疣贅はなかった。

 抗菌薬を中止して再度血液培養を提出することも考えたが、初診時の血液培養の結果がまだ出ていないので、それまではセフトリアキソン点滴静注で経過をみる方針とした。感染症だとは思うがどういう病態なのだろうか。

 

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