なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

デカドロンが効いた?~肝細胞癌

2016年06月11日 | Weblog

 3月に87歳女性が腹痛で入院した。右側腹部痛だったので、結腸憩室炎などを考えていたが、腹部CTで肝右葉に腫瘍があった。胃腸や膵臓に腫瘍はなく、AFP4万という値から肝細胞癌と判断された。B型・C型肝炎は陰性で、アルコール性でもなく、そもそも肝硬変はなかった。入院時は右側腹部に圧痛ありと判断していたが、どうも肝臓自体(腫瘍による肝腫大(肝被膜)による鈍痛らしい。疼痛自体はアセトアミノフェンの投与で軽快した。

 同居している息子夫婦にすれば、思いがけない癌の話になった。治療は厳しいので経過観察かと判断されるが、がんセンターにセカンドオピニオンを訊きにいきますかと問うと、行かなくてもいいと言われた。入院当初の痛みが軽快して食事もとれるので、退院してできるだけ自宅で過ごす方針とした。最初は2週間で、その後1か月おきの通院にしていた。先週家族が外来に来て、食欲が落ちてきて倦怠感もあり、次週の受診時にそのまま入院させたいと言われた。

 今週受診した時に、患者さんも入院に同意したので、入院とした。今回は単純CTだけ撮ったが、明らかに腫瘍が増大していた。食欲不振と倦怠感にステロイド(デカドロン)を使用してみたら、案外食欲が良くなった。することもないのでベットに寝ているが、トイレまで自分で歩行できる。ベットサイドに行くと、むくっと素早く起き上がる。これはもう1回外来に戻せるかもしれない。(3月のCTと今回のCT)

コメント (1)
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