なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

プライマリ・ケア学会~ユマニチュード

2016年06月12日 | Weblog

 昨日今日は東京浅草で開催されたプライマリ・ケア学会に参加した。昨日は東京医療センターの本田美和子先生の「優しさを伝えるケア技術・ユマニチュード」を聴いた。これを聴いただけでも行った甲斐はあった。満員立ち見大勢の大盛況だった。

 ユマニチュードの技術は「見て、触って、話す」だが、実際には認知症の患者さんを病院側の要求に従わせようとしているだけだという。「見る」は、認識できるように20cmくらいの正面から患者さんと目を合わせる。「触る」は指先でつまむように触るのではなく、手全体であるいは手から肘までで患者さんに優しく触れる。「話す」は病院側の視点でしてほしいことを指示するのではなく、患者さんにとって気持ちのいいこと、嬉しくなることをしていると、優しく語りかけながら作業を行う。記銘力障害で同じことを何度も訊いてきたり、機嫌が悪くなった時も、記憶していることに話題を変えたり、できることを褒めてあげれば、お互いが嬉しくなるようなコミュニケーションをとることができる。大声が上げて口腔ケアや入浴を拒否する患者さんが、ユマニチュードの技術によってケアを受け入れてADLが改善する様子を見ると、その変化にびっくりする。当院ではユマニチュードの導入はどうしているのだろうか。看護部長さんに訊いてみよう。

 

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