goo blog サービス終了のお知らせ 

なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

十二指腸潰瘍

2024年05月27日 | 消化器疾患

 先週の5月22日(水)に消化器科医が内視鏡的胃瘻造設術(PEG)をする予定だった。お手伝いを依頼されていて、午後2時ごろをいわれていた。

 その日は病棟の多職種カンファランスとICTのラウンドもあり、リハビリ病棟での思いがけないお見舞いの家族の低血糖発作もあった。そういえば胃瘻造設で呼ばれないと思っていたが、中止になっていたのだった。

 

 患者さんは88歳女性で、4月初めに著しい低ナトリウム血症(100)と判明して、担当した内科の若い先生が大学病院に搬送した方だった。大学病院での治療後に、当院に転院していた。

 食事摂取が進まず胃瘻造設が予定されたが、前日の血液検査でHb5.9g/dl(MCV94.7)と貧血があることがわかった。吐血下血はなかった。

 急遽貧血精査の上部消化管内視鏡検査が行われて、十二指腸潰瘍(A2)を認めた。検査した時は明らかな出血はなかったので処置は不要だった。

 4月9日大学病院搬送時のHbは12.1g/dLと年齢的にはほぼ正常域だった。4月23日大学病院病院から転院してきた時にHb9.2g/dLと(後から見ると)すでに低下していた。

 5月の連休明けに行った下肢エコーで軽度の深部静脈血栓症が疑われた。造影CTを行って、下肢の深部静脈血栓症が確認されたが、肺血栓塞栓症は(CTでわかる範囲では)なかった。そこでDOAC(エドキサバン)が開始された。

 これも後で見るとだが、CTで十二指腸球部から下行脚にかけて壁肥厚があるようだ。大学病院入院時から十二指腸潰瘍があり、にじむような出血はあったのだろう。そこにDOACが処方されたので出血が進行した、という経緯のようだ。

 P-CAB(タケキャブ)内服が開始されて、輸血(濃厚赤血球4単位を2日間)も行われて、今週はHb14.4g/dLと正常(より上昇?)だった。

 

 十二指腸潰瘍の治療が開始されて、貧血が改善すると、食事摂取できるようになった。胃瘻造設は不要となるようだ。

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

急性胆嚢炎

2024年05月22日 | 消化器疾患

 5月18日(土)当直の時に、翌19日(日)午前4時過ぎに病棟から連絡が入った。入院している82歳男性が腹痛を訴えているとう。

 

 患者さんは娘と二人暮らしで、隣りの市内に居住している。4月26日に自宅の庭で倒れているところを隣人が発見して、救急要請していた。娘さんは日中仕事で、自宅に患者さん一人になる。認知力低下とADL低下はあるが、何とか自宅で生活できるというくらいだった。

 救急隊から39℃の発熱があると報告があった。左前額部と頬部に擦過傷があり、左手背の皮膚が広範にめくれていた。頭部CTは異常なし(脳委縮と陳旧性ラクナ梗塞のみ)。

 コロナとインフルエンザの迅速検査は陰性で、発熱の原因は軽度の肺炎と診断された。その日救急外来を診ていた外科医(大学病院からバイト)から、その時間の内科当番の当方に連絡がきた。

 肺炎は抗菌薬1週間投与で解熱軽快した。ADLが低下したので、リハビリのため入院継続となった。しかし座位になっただけでももともと100mmHgの血圧が70mmHgまで低下して、意識が低下してしまう。(横臥すると回復)

 リハビリの目標を下げて、座位を長く保つことと、介助で車椅子移乗できることにしていた。在宅介護が困難であれば施設入所も考慮となった。

 

 今回の症状は、18日午後11時ごろに臍周囲の痛みを訴えた。夜間だし、指示のアセトアミノフェン500mgを内服させると軽快したそうだ。翌19日の午前4時にまた腹痛の訴えがあり、それで連絡したという経緯だった。

 痛みは右季肋部痛になっているという。胆嚢結石があるのは知っていた。アセトアミノフェン1000mgの点滴にしてもらった。内臓痛→体性痛の経過か。

 午前中に胸腹部CTを行うと、胆嚢が腫大して、周囲に軽度の腹水貯留があった。胆道系の拡張はなかった。白血球11000・CRP1.6と炎症の初期像だった。肝機能障害は軽度だった。(時間外は検査技師が不在で簡易検査法になる)

 胆嚢結石・急性胆嚢炎として抗菌薬(PIPC/TAZ)と点滴を開始した。胆嚢結石は一度でも胆嚢炎を起こせば手術適応になったしまう。

 娘さんは仕事でか電話に出なかったので、午後から病棟看護師さんにまた電話してもらうことにした。「胆嚢結石があり、今回急性胆嚢炎を来したこと。当院は外科手術ができないので、保存的治療に反応しない時は搬送になること」を伝えてつたもらった。

 その日の午後から高熱が出ていた。アセトアミノフェン使用で20日朝は37.2℃で、腹痛は自制可(ぼーっとしているので正確につかめないが)ではあった。

 白血球19200・CRP16.8とぐっと上昇したのは想定していたが、AST 967・ALT 583・LDH 420・ALP 318・γ-GTP 112・総ビリルビン4.2(血清アミラーゼは正常域)と思いがけない高値になっていた。胆道系酵素より肝細胞性障害が目立つが、ビリルビンも上昇している。総胆管結石もある可能性があるが、胆嚢の炎症自体が重度なのか。(発症早期からの腹水が嫌な感じ)

 

 地域の基幹病院外科に連絡して、事情をお伝えした。受けれもらえたので、救急搬送させてもらった。造影CTで確認してからとも思ったが、すぐに搬送とした。自宅から直接先方の病院に行く方が近いので、娘さんには当院に来ないで直接行ってもらうことした。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

直腸潰瘍からの出血

2024年05月01日 | 消化器疾患

 4月27日(土)は当直だった。午後4時過ぎに病院に着いて、気になる入院患者さんの温度板を画面で確認した。

 その日の日直は消化器科医だった。「入院はありましたか」と訊くと、入院はなかったが血便の患者さんを地域の基幹病院に搬送したという。

 

 患者さんは透析クリニックで透析を受けている患者さんだった。3月19日に脳梗塞を発症して、基幹病院の脳神経内科に入院した。その後、4月17日に当院にリハビリ目的で転院してきた。

 転院の患者さんは内科系医師が交代で担当しているが、透析患者さんなので腎臓内科の若い先生が担当になっていた。転院してすぐの4月20日に新鮮血下血があった。(下血と記載していたが、正確には新鮮血下血)

 抗血小板薬(バイアスピリン)を中止して、出血は治まった。22日には腹部造影CTを行ったが、出血源は特定されなかった。(腫瘍や憩室はなかった)Hb12.3g/dLから9.8g/Lと貧血を呈した。

 25日からバイアスピリンを再開したが、27日にまた新鮮血下血があり、日直だった消化器科医が転院を依頼して搬送となった。

 何年も前から当院では緊急内視鏡の対応ができなくなった。基本的に平日でも(大量の)吐血・下血の救急は受けていない。(輸血は基本的に院内ストックはない。予定輸血は取り寄せで可能だが、時間外は検査技師不在で輸血不可。)

 

 先方の病院からすぐに連絡がきて、下部消化管の緊急内視鏡検査で直腸潰瘍からの出血と判明して、焼灼処置で止血したという。「透析を継続するのが困難なので、3連休明けの30日には転院で戻したい」といわれて、それで了解したそうだ。(当院は維持透析病院だが、先方は透析患者が入院した時だけ施行。実際は30日には転院にならなかった。)

 

 造影CTを見ると、かなりの便秘がある。便秘から直腸潰瘍形成になったと思われた。直腸潰瘍からの出血は小動脈性なので、内視鏡止血処置が必要になる。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

脾梗塞?

2024年04月18日 | 消化器疾患

 放射線科で外来患者さんのCTを診ていると、別の内科の先生が入って来た。「脾梗塞」だったようです、と放射線科の技師さんに伝えていた。

 後で技師さんに訊くと、4月初めにCTを行って、脾臓近傍の嚢胞性腫瘤?のことだった。もっとも何の話?と訊くと、いつだったかなあと、CTのオーダー画面を探していた。先生が気にしているほど、技師さんは関心がなかったか。

 

 患者さんは37歳男性で、その先生が当直だった日の夜間に救急外来を受診していた。寿司を食べた後に、嘔気・嘔吐と腹痛(上腹部痛)が生じたということだった。

 入院になり、炎症反応はごく軽度だったが、症状が続いて入院となった。入院後に発熱もあった。

 腹部単純CTで脾臓近傍に嚢胞性腫瘤を認めた。それ以外は有意な異常はない。どの組織由来か、造影CTとMRIも行ったが放射線科の読影では不明となっていた。

 いつの間にか、腹痛は左季肋部痛ということになっていた。症状軽快して、4月4日に退院した。精査というか相談目的で、地域の基幹病院消化器内科の外来に紹介された。

 返事は、「画像診断医とも相談して、脾臓の一部と判断され、脾梗塞と判断した」、というものだった。確かに脾臓の一部のように見える。症状は残るが、鎮痛薬(ロキソプロフェン)で外来経過観察となっていた。

 心電図は正常洞調律で心房細動はない。最初の症状はいかにも食事性のようだが、寿司は無実で、脾梗塞の症状だったということか。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

膵嚢胞

2024年04月09日 | 消化器疾患

 4月8日(月)に別の内科の先生が診ていた80歳女性が、地域の基幹病院・消化器内科に転院となった。膵頭部と膵尾部に膵嚢胞があり、尾部の嚢胞は巨大(145mm)だった。

 膵炎後の仮性嚢胞とおもわれるが、明らかな膵炎の既往はなかった。胆道系疾患も認めず、原因は不明だった。CTに加えて、MRIも行われたが、膵頭部の嚢胞に関しては膵管との交通がありそうだった。尾部の方は大き過ぎてよくわからない。

 3月11日に食欲不振と微熱で入院していた。食事摂取が進まず、CVカテーテルを挿入して高カロリー輸液が開始されている。

 家族の希望もあり、紹介転院について打診すると受けてくれた。ありがたいが、どう対応するのだろうか。検査としてはERCPを行うと思うが、治療としては尾部の嚢胞の内瘻化を目指すのだろうか。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

S状結腸癌・肝転移、さらに

2024年04月02日 | 消化器疾患

 3月27日(金)に67歳男性が両下肢の浮腫(右>左)で内科新患を受診した。2~3週間前からの症状で、高血圧症で通院している内科医院を受診していた。本人の話では、「腰の薬」をもらった?、ということだった。利尿薬?。

 担当の先生が胸腹部CTで確認すると、まず多発性肝腫瘤(転移)が目についた。その段階で消化器科医に相談した。消化器科医が造影CTを追加したが、胸腹部だけではなく、下肢まで含めての検査だった。

 多発性肝転移の原発巣はS状結腸癌と判明した。そしてそれ以外に両側肺動脈(特に右側)に肺血栓塞栓症を認めた。左大腿静脈から末梢にかけての深部静脈血栓症もあった。CEAが7021と上昇していた。

 診断はS状結腸癌・多発性肝転移、下肢深部静脈血栓症・肺血栓塞栓症(トルソー症候群疑い)だった。癌だけでも当院としては紹介となるが、後者も加わればなおさら高次医療機関への紹介となる。そのまま地域の基幹病院消化器内科へ搬送となった。

 

 消化器科医は単純CTで癌と転移を見出したが、それでは下肢浮腫は説明できないので、深部静脈血栓症・肺血栓塞栓症用の造影CTを追加していた。さすがです。

 治療は血栓塞栓症の治療で経過をみるのだろう。その後はどうするのか。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

エルシニア感染症

2024年03月26日 | 消化器疾患

 3月25日(月)の夕方に消化器科医から「エルシニアって診たことありますか」と訊かれた。昨年診ていたのを思い出した。(2023年5月10日記載)

 患者さんは21歳女性で知的障害がある(自宅で生活)。当院の内分泌外来(大学病院からの応援医師)に甲状腺機能低下症で通院していた。

 3月18日に外来を受診して、14日夜からの発熱・下痢(水様便)・腹痛を訴えた。外来担当医から消化器科の外来に紹介となった。

 白血球13200・CRP15.0と炎症反応が上昇していた。3日間外来での点滴と抗菌薬点滴静注(セフメタゾール)を行ったが、症状が続いていた。

 症状が続いて、3月21日に入院治療となった。血液検査は白血球6300・CRP11.9と、改善傾向ではあった。腹部CTでは大腸全体に壁肥厚を認めたが、腹水などの異常はなかった。

 点滴と抗菌薬(セフトリアキソンに変更していた)点滴静注で翌日には解熱して(入院時も微熱)、腹部症状は治まってきた。食欲はまだ出ないらしい。

 便培養の結果は、病原性大腸菌血清型O18(ベロ毒素陰性)、Yersinia enterocolitica血清型08群が検出された。感受性検査ではペニシリンは耐性で、セフェム系第2世代以上は全部感受性があった(CMZは両者S≦4)。前者はLVFX耐性だった。当方が愛用しているFOMは両者S≦32。

 

 国立感染症研究所のホームページによると、エルシニア属は11菌種があり、ヒトに下痢などの食中毒症状を来すのは、Yersinia enterocoliticaYersinia pseudotuberculosis。(ヒトに病原性があるのはこの2者とYersinia pestisペスト菌)

 Yersinia enterocoliticaは、食中毒を来してきたのは血清型03だが、「1987年以降青森県を中心に東北地方各地で、病原性が強いとされる血清型08の菌株による散発事例が多く報告されている」。

 原因となる食品は肉、特に豚肉で、この菌は冷蔵庫内温度の4℃でも発育できるので注意を要する。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

原発性胆汁性肝硬変

2024年03月15日 | 消化器疾患

 3月11日(月)に原発性胆汁性肝硬変(PBC)の72歳女性が受診した。

 2023年6月21日に記載した患者さんだ。その時は、内科クリニックで処方されたループ利尿薬で肝性脳症が悪化した。入院治療を担当して、外来へ戻していた。

 昨年まで大学病院消化器内科からの外来応援があった。患者さんは大学病院消化器内科と当院の外来を1回おきに交互に受診していた。今年1月からは大学病院の外来と当方の外来を1回おきに交互に受診となった(それぞれ2か月分の処方を出す)。

 

 肝性脳症で入院した時に担当したことをすっかり忘れていた。まだ2回目なので外来予約の名前を見ても、カルテを開かないと、どんな患者さんだったかピンとこない。

 病状は安定していて、大学病院の処方を継続するだけになっている。大学病院で検査するのは大変なので、上部消化管内視鏡検査と肝臓の画像検査は当院で施行して結果を送るように、とされていた。

 以前は軽度の食道静脈瘤(F1)があったが、今回は認めなかった。腹部エコーは肝硬変像(肝嚢胞あり)と脾腫を認めるが、肝腫瘍はなかった。

 白血球1900・Hb11~12g/dL・血小板6~8万の汎血球減少がある。肝機能は直近ので、AST 63・ALT 36・ALP 176・GTP 366・総ビリルビン3.6。血清アンモニアは入院の時は100を越えたが、現在は16~68くらいで正常域にある。

 処方はウルソ・エルカルチン・リーバクト・アミノレバン(就寝前)・ラグノス経口ゼリー・スピロノラクトンになっている。ラグノスは昨年の入院時に当方が追加した。

 現在診ている肝硬変の患者さんは、大抵アルコール性肝硬変で、胆汁性肝硬変はこの患者さんだけだ。手のかからないい患者さんなのだった。(アルコール性の患者さんは易怒性がある)

 

(腹部CTは昨年の入院時)

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

腸閉塞

2024年03月12日 | 消化器疾患

 3月11日(月)に内科再来を診ていたが、その日は新患がいっぱいで、58歳男性が回されてきた。

 9日深夜から腹痛が始まって、4回嘔吐していた。腹痛は間欠的に強くなり、治まっても痛みは残っている。市販の整腸剤を買って飲んでいたそうだ。その時に少量の水分をとったが、食事はとれなかった。排便もない。

 2014年にS状結腸捻転で、地域の基幹病院消化器内科で内視鏡的整復術を2回受けている。2015年もS状結腸捻転で当時当院消化器科にいた若い先生(当時は消化器科2名体制)がいったん整復したが、すぐまた捻転した。

 内視鏡的整復は限界として、当院外科(当時)で腹腔鏡下にS状結腸切除術を行った。「捻転はしないだろうが、癒着性腸閉塞になる可能性はある」といわれたそうだ。

 診察室には普通に歩いて入ってきた。腹部は膨満していて、左下腹部に手術痕周囲に圧痛がある(腹膜刺激症状はない)。症状からは「癒着性腸閉塞」だった。

 腹部X線できれいな?ニボーを形成していた。血液検査では炎症反応の上昇と、脱水症による血液濃縮・腎前性腎不全を呈していた。

 腎障害があるので、CTは単純だけにした。小腸が拡張して、消化液が貯留している。一部腸管が急に狭窄している部位があった。腹水はない。

 まだ保存的に診れる段階とは思うが、腸閉塞は外科疾患で手術の適応を考慮しながらの経過観察になる。現在当院は外科がないので(非常勤医の外来のみ)、紹介搬送になる。

 基幹病院の地域医療連携室に連絡すると、外科医に回す前に「現在満床ですけど相談はできます」、といわれた。あとは搬送できそうな病院はどこだろうかと考えた。

 外科の先生が出て、入院できるか検討して返事しますという。ひょっとして入院できるかもしれない。その後連絡が入って、男性なら1名可能という。

 すでに診療情報提供書と画像CD(コロナとインフルエンザの迅速検査もして陰性)を準備していたので、救急車を要請して搬送させてもらった。たまたま空いたところに滑り込んだのかもしれない。

 

 3月8日(金)は外部の先生が当直で、皮膚科の先生が遅番(当直医の到着までの担当)だった。医局で話をしていると救急隊から連絡が入った。

 患者さんは高齢者で地域の基幹病院にパーキンソン病で通院している。COVID-19に罹患して、酸素吸入10L/分でも酸素飽和度が90%に満たないという。病棟の事情もあり、無理ですと断っていた。

 その日の夕方に大腿骨骨折の患者さんが基幹病院に搬入されたが、ベット満床で入院できなかった。当院の整形外科医に入院依頼の連絡が来て、担当する先生が時間外まで残っていた。(出勤者が少ない病棟に無理に頼み込んで入れた)

 

 先週は若手の看護師さんから、今月いっぱいで辞めます、といわれた。できる看護師さんで、物おじしないので上に立って指導もできそうだと思っていた。残念。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

総胆管結石

2024年03月08日 | 消化器疾患

 2月6日(水)は腎臓内科の若い先生が当直だった。大学病院から3か月交代で来ているうちのおひとり。

 病棟の事情で入院が取れない日の当直が続いていた。その日は急性期病棟(職員の病欠が多い)でひとりなら入院可能といわれていた。

 当直帯に入ってすぐに救急隊から連絡が入って、「今日はとれます」と答えていた。病院から帰る時に救急室の前を通ると、ちょうど搬入されたところだった。

 

 患者さんは63歳男性で、脳梗塞の既往があり、高血圧症・糖尿病・慢性腎臓病で当院の腎臓内科外来に通院している。その日はお昼から腹痛・高熱(39.7℃)があり、救急要請していた。

 2月28日にも受診していた。2月24日・25日と38℃の発熱があり、26日には解熱したが、食欲低下があっての受診だった。

 血液検査で、肝機能障害(AST 59・ALT 158・ALP 354・γ-GTP 670)があった。発熱・腹痛がなく、白血球5400・CRP2.3と炎症反応が軽度だったためか(?)、担当した内科の先生はウルソの処方で帰していた。(画像検査なし)

 

 3月6日の血液検査では、白血球6600・CRP2.7とあまり変わりがないが、肝機能は悪化していた(AST 99・ALT 158・ALP 522・γ-GTP 798)。血清アミラーゼの上昇はなかった。

 腹部CTで胆嚢内と総胆管内に結石を認めた。総胆管結石・急性胆管炎で入院として、抗菌薬を開始した。翌日は解熱傾向だった。

 翌7日に消化器科医に相談したが、地域の基幹病院か消化器病センターのある病院に搬送して下さい、ということになる。早速電話すると、入院させるベットがなく、空いたら連絡しますということになった。解熱してきて、経過からも(2月末から)少し待てるかもしれない。

 転院まで待つので、MRCPも施行していた。間違いなく結石がある。

 

 当院のCOVID-19のクラスターは落ち着きつつあり、隔離患者さんはあと1名だけになった。先方の病院でも院内発生があり、7日に当院に治療継続目的で転院してきた患者さんも入院中にCOVID-19に罹患していた。

 整形外科で脊柱管狭窄症の手術後、2月24日にコロナになった。11日目の3月6日に抗原定性検査で陽性となっていたが、そのまま当院転院となった。大部屋には入れられないので、個室管理となった。(免疫抑制剤の使用はないが、肺炎があった)

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする