3月27日(金)に67歳男性が両下肢の浮腫(右>左)で内科新患を受診した。2~3週間前からの症状で、高血圧症で通院している内科医院を受診していた。本人の話では、「腰の薬」をもらった?、ということだった。利尿薬?。
担当の先生が胸腹部CTで確認すると、まず多発性肝腫瘤(転移)が目についた。その段階で消化器科医に相談した。消化器科医が造影CTを追加したが、胸腹部だけではなく、下肢まで含めての検査だった。
多発性肝転移の原発巣はS状結腸癌と判明した。そしてそれ以外に両側肺動脈(特に右側)に肺血栓塞栓症を認めた。左大腿静脈から末梢にかけての深部静脈血栓症もあった。CEAが7021と上昇していた。
診断はS状結腸癌・多発性肝転移、下肢深部静脈血栓症・肺血栓塞栓症(トルソー症候群疑い)だった。癌だけでも当院としては紹介となるが、後者も加わればなおさら高次医療機関への紹介となる。そのまま地域の基幹病院消化器内科へ搬送となった。
消化器科医は単純CTで癌と転移を見出したが、それでは下肢浮腫は説明できないので、深部静脈血栓症・肺血栓塞栓症用の造影CTを追加していた。さすがです。
治療は血栓塞栓症の治療で経過をみるのだろう。その後はどうするのか。
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