東京里山農業日誌

東京郊外で仕事のかたわら稲作畑作などをしていましたが、2012年4月に故郷の山口県に拠点を移して同活動をしています。

なんと、マオラン(真麻蘭)が我家で半ば野生化

2023年01月12日 | 綿栽培,糸つむぎ,織り,染色

 一昨日のほぼろ講習会で、ロープにするマオラン(真麻蘭,ニューサイランとも言う)の話題が出ました。私もほぼろを編むためのロープを自給したいと思っていたため、そのマオラン(真麻蘭)に興味を持ちました。今は野生化しているらしい周防大島を探そうと考えていました。
 ところが、ひょんなことで子供の頃の記憶が蘇りました。それは、亡き父親が栽培していた植物です。その植物は葉を細かく裂くことができる上に、ロープのように結ぶことができました。ロープが無い時の代用品に使っていました。その植物はまさにマオランでした。そこで、それが我家に残存していないか裏山などを探しました。
 すると、50年以上の時を経て2m以上の高さに育って半野生化していました。根元にたくさん落ちていた葉を裂いてローブ状にすると、引っ張り強さや柔軟さはロープそのものでした。ロープにするマオランが我家に残存していたとは驚きです。

        2m以上の高さに育ち、葉を広げていたマオラン(真麻蘭)


 このマオランは、戦争が終わったすぐの頃に亡き父親が開拓団として田布施に入植した時に持ち込んだようです。私が子供の頃にたくさん植えてありました。開拓団の仲間が、岩国や上関など広範囲にいたので、どこからか入手したのでしょう。葉を綺麗に裂くことができて、ロープ状に編んでロープの代用品として使っていました。そのマオランが我家に半野生化して残っているとは思ってもいませんでした。50年近くすっかり忘れていました。

約50年経ち2m近く育つ    葉を試しに収穫する    試しに春に株分け
  

 私が子供の頃、もう少し葉幅が広かったように思います。背が低い時と、何年も経ち高くなった時では葉の形状が変わるのではないかと思います。花柄は中心から上に1m位伸びて、たくさんの花が群生していたように記憶しています。根元には小さなマオランが生えているので、この春に日当たりがよい場所に移植しようと思います。意外に大きく1~2m位に育つと思います。

 ロープ化のため収穫した緑葉と枯葉    緑葉と枯葉をばらばらに引き裂く
 

 ところで、半野生化したマオランが本当にロープになるのか試してみました。収穫した緑葉と落ちていた枯葉を使いました。普通の草の葉はまっすぐに長く裂けませんが、マオランはどこまでも真っすぐ裂けます。繊維が葉の根元から先端まで続いているからでしょう。
 ばらばらに裂いた葉を手のひらで撚ってみました。すると、ちゃんとロープになるではありませんか。ただし、緑の葉はつるつる滑ってうまく撚れません。葉汁に何かの滑るような成分があるに違いありません。その点、枯葉はうまく撚れます。今後ローブにするならば枯葉に限ります。ローブにした後、強く引っ張ってみましたが切れません。また柔軟性もあります。草の葉よりもはるかに実用性があるロープ又は紐になります。今日の事ですが、ラミーや苧麻のことを古老に聞いていた時、戦前の田布施町にマオラン工場があったそうです。

 ※ほぼろ製作講習会でマオランの事が話題に出なければ、約50年ぶりにマオランに再開することはなかったと思いますし、そのまま記憶のかなたに忘れ去っていたと思います。話題を提供していただいたことを感謝します。

 その後のご指摘で、マオランではなくユッカと分かりました。同じように繊維を取ることができ、ロープにすることができるようです。

       撚ってロープ状にした緑葉と枯葉、枯葉の方が丈夫で柔軟

コメント
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